人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット+東京交響楽団でモーツアルト「ドン・ジョバン二」(演奏会形式)を聴く~粒ぞろいの歌手陣,軽快なテンポのオケ,シンプルで冴えた演出 / 会場アテンダントは何のために居る?

2017年12月11日 08時11分00秒 | 日記

11日(月).わが家に来てから今日で1167日目を迎え,北朝鮮から来て北海道松前沖の松前小島に着岸した木造船の乗組員が発電機を盗んだとして,北海道警が9日 乗組員の男3人を窃盗容疑で逮捕した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 彼らは犯罪者だが そういう行動をせざるを得ない国の実情を考慮すべきじゃね?              

 

                     

 

昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールでモーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」(演奏会形式)を聴きました 出演は,ドン・ジョバンニ=マーク・ストーン(ミヒャエル・ナジの代演),ドンナ・アンナ=ローラ・エイキン,ドンナ・エルヴィーラ=ミヒャエラ・ゼ―リンガー(エンジェル・ブルーの代演),レポレッロ=シェンヤン,騎士長=リアン・リ,ドン・オッタ―ヴォ=アンドリュー・ステープルズ,マゼット=クレシミル・ストラジャナッツ,ツェルリーナ=カロリーナ・ウルリヒ,指揮とハンマーフリューゲル=ジョナサン・ノット,管弦楽=東京交響楽団,合唱=新国立劇場合唱団です

 

     

 

自席は2CB6列16番,センター左ブロック中央です.P席にもお客さんを入れた会場はほぼ満席.よく入りました コンマスのグレヴ・二キティンほかオケのメンバーが配置に着きます.オケは左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとり,中央にハンマーフリューゲルが設置されています 管楽器,ティンパニを含めて総勢34人の少数精鋭ですが,よく見るとトランペットとホルンは古楽器(ナチュラル~)を使用するようです

ステージ中央手前には赤いクロスがけられたテーブルが設置され,上に白いシーツが置かれています ジョナサン・ノットが登場しハンマーフリューゲルに向かい,両手で指揮をとり「序曲」の演奏に入ります モーツアルトがお酒を飲みながら一晩で書き上げたと言われるデモーニッシュな序曲です.たった34人の演奏とは思えない迫力に満ちた音楽が会場を満たします


     


ドン・ジョバンニを歌ったマーク・ストーンはイギリス・ロンドン出身のバリトンですが,「急病のため」来日出来なくなったミヒャエル・ナジの代演を務めました ベルリン・ドイツ・オペラなどで「ドン・ジョバン二」のタイトルロールを歌っているとのことで,堂に入った女たらしの演技力と堂々たる歌唱力で聴衆を魅了しました

ドンナ・アンナを歌ったローラ・エイキンは,最初は声量不足かと思いましたが,すぐに本領を発揮し輝くソプラノを聴かせてくれました

ドンナ・エルヴィーラを歌ったミヒャエラ・ゼ―リンガーはオーストリア出身のメゾ・ソプラノですが,「急病のため」来日できなくなったエンジェル・ブルーの代演を務めました 2005~2010年にウィーン国立歌劇場の専属歌手を務めていた実力者で,最初にステージに出て来て歌った時から絶好調でした

最初から絶好調ということではレポレッロを歌った中国出身のバス・バリトン,シェンヤンもそうでした メトロポリタン歌劇場で「ドン・ジョバンニ」「魔笛」「チェネレントラ」などに出演しているとのことですが,かなりレポレッロを歌い込んでいる感じを受けます

中国出身ということでは騎士長を歌ったリアン・リは新国立劇場でも歌ったことのある歌手で,騎士長に相応しい深みのあるバスを披露しました

今回の公演で最も印象に残ったのはドン・オッタ―ヴォを歌ったイギリス出身のアンドリュー・ステープルズです モーツアルト,ヘンデル,ブリテンを得意としているだけあって,輝くテノールと言っても良い抜群の歌唱力です

マゼットを歌ったクロアチア出身のクレシミル・ストラジャナッツは演技力もあるバス・バリトン,ツェルリーナを歌ったチリ出身のカロリーナ・ウルリヒは美しいソプラノでした

ノット指揮東京交響楽団による演奏は,場面転換がない利点を生かしたテンポ感の良い軽快な演奏で,拍手によって舞台進行が遮られる場面が極力少ない,集中力に満ちた演奏でした

演出面では,レポレッロの「カタログの歌」にスマホを使ったり,終盤のドン・ジョバンニの地獄落ちのシーンではピストルを使用したりと工夫が見られましたが,一番良かったのは,フィナーレのシーンです ドンナ・アンナ,ドン・オッタ―ヴォらが重唱を歌う中,死んだはずのドン・ジョバンニがおもむろに起き上がり,彼らの周りをぐるっと回り(彼らには死者が見えない),最後にドンナ・エルヴィーラに投げキッスをすると,ドンナ・エルヴィーラが頬に手を当てて「何があったんだろう?」と不思議な顔をして幕を閉じるという演出です 短期間であれドン・ジョバンニが妻と認めたのはドンナ・エルヴィーラだけだったことを考えると深い意図が感じられます

何度も繰り返される熱烈なカーテンコールに表れていたように,2人の代演を含めて今回の公演は大成功裏に終了したと言うべきでしょう

 

                       

 

ところで,自席の前の席の男(アラフォーくらい)がオペラが始まるや否や,身体を前に傾けてそのままの姿勢でいたため,舞台が良く見えませんでした 歌手は右へ左へと動きながら歌うので,見える時と見えない時があります.その男は一度もちゃんとした姿勢で座ることがありませんでした どの会場にもいますよね,こういう自己チュー人間が 本人だけが 他人に迷惑をかけているという自覚がないので,始末が悪いのです 2階席の上の方で,せいぜい20センチぐらい身体を前に傾けたくらいで どれほど舞台がよく見えるようになるのか,非常に疑問です 休憩時間に 直接本人に注意しようかと思いましたが,富岡八幡宮の殺傷事件のこともあるし,男が包丁や日本刀を懐に忍ばせているかも知れないので,近くのアテンダントの女性に席番号を知らせて注意を促してもらうよう頼みました

こういう場合,アテンダントはどうするかというと,直接本人に注意することはありません.本人を中心とする広い範囲に注意を呼びかけるのです これには,当該の人物に恥をかかせないという配慮とともに,客同士のトラブルに巻き込まれたくないという計算が働いていると思われます その時もアテンダントから「呼びかけは広い範囲になりますが・・・」と言われたので「承知の上です」と答えておきました 休憩時間が終わり第2幕に入る前に,アテンダントが遠くの方で何やら話していましたが,声が小さい上に「間もなく第2幕が始まります.早めにご着席ください」としか言っておらず,当方が言って欲しかった「背もたれに背をつけて聴くなど ご配慮ください」という言葉は聞けませんでした その結果,オペラが終わるまで男の前傾姿勢は変わらず,当方は不愉快なまま観ることを強いられました アテンダントは何のためにいるのか ミューザのように座席配置が複雑で分かりにくい会場では 席まで案内するのは大事な仕事ですが,決してそれだけではありません 客同士のトラブルを事前に防ぐのも彼らの重要な仕事のはずです 

今回の自席は,いつもの通路側ではなく奥の方の席なので,アテンダントの声が届かないということもあるかも知れませんが,それ以前に,こちらの要望にまったく応えていませんでした 前傾姿勢が許されるのは冬季オリンピックのスキー・ジャンプぐらいではないか 今回,ミューザの場合は何もしてくれないことが分かったので,次回からこういうケースに遭遇した時は,日本刀のリスクを覚悟の上で自分で注意するしかないと思っています 不愉快な気持ちのまま最後まで聴いていて気分が良いわけがないですから

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6 コメント

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ミューザ (とも)
2017-12-11 09:25:09
以前より、ミューザは対応があまいと思っています
つい先日のある演奏会でも、まるで小さい声でお座なりに口上しただけで、去って行かれました
ホール側では、対応はしましたよ、というポーズではないでしょうか
実は、昨年一度ひどい目にあい、後日ミューザへ電話して丁寧に事情を話しましたのに、責任者に伝えておきますというような、通りいっぺんの返答を繰り返すだけでした
アテンダントは何のために? (tora)
2017-12-11 15:46:39
ともさん,コメントありがとうございました.
ミューザは音響が素晴らしいのでサントリーホールの次に好きなホールなのですが,ソフト面がおざなりでは情けないですね.コンサートホールとして一流とは言えませんね
Unknown (てろたん)
2017-12-11 21:13:55
前かがみとは酷いですね。
私なら注意しますが、やはりし辛いです。
オペラだと長いのでタイミングが難しいですね。
良くわかります (みなみ)
2017-12-11 22:24:40
お久しぶりです。 ここ半年程、そろって長身の夫婦に悩まされています。自由席の演奏会で数時間前から並び、最前列ど真ん中を陣取り、ずっと身体半分乗り出して聴いているため、どこからでも目に入り非常にじゃまです。某三鷹のホールでも注意して頂けませんでした。
勇気がいる (tora)
2017-12-12 08:04:49
てろたんさん,コメントありがとうございました.
注意するのは勇気がいります.相手がどう出るかが分からないからです.でも,決して安くないチケット代を払っているのだから我慢にも限界があると思います.今後そういうチャンス(?)があった時は,注意というか,下手に出て配慮の「お願い」をしてみようかと思います
前席の長身の客 (tora)
2017-12-12 08:12:09
みなみさん,コメントありがとうございました.
単に長身のため視界が遮られるというのは不運としか言いようがありません(かつて私もトリフォニーで,前席が長身の定期会員だったので1年経って席替えしました).しかし,最前列で夫婦そろって長身で,しかも前かがみで聴いているとなると,始末に負えませんね.注意するしかないのですが,武器を持っているかもしれないし,難しいですよね

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