人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラ:ワーグナー「神々の黄昏」初日公演を聴く~最高の歌手陣,飯守泰次郎+読売日響による渾身の演奏

2017年10月02日 08時08分54秒 | 日記

2日(月).わが家に来てから今日で1097日目を迎え,希望の党が衆院選で民進党の菅直人元首相,枝野幸男元官房長官について,望んだとしても公認しない方向で選別することがわかった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     管・枝野:選別して公認しないなら餞別が欲しい 小池:小池屋のポテチでどう?

 

                                           

 

昨日,初台の新国立劇場オペラハウスでワーグナー:楽劇「神々の黄昏」を聴きました   オペラハウスの玄関口では勅使河原茜氏による巨大な秋の生け花のお出迎えです

 

     

 

この日の出演は,ジークフリート=ステファン・グールド,ブリュンヒルデ=ペトラ・ラング,アルべリヒ=島村武男,グンター=アントン・ケレミチェフ,ハーゲン=アルベルト・ぺーゼンドルファー,グートルーネ=安藤赴美子,ヴァルトラウテ=ヴァルトラウト・マイヤー,ヴォークリンデ=増田のり子,ヴェルグンデ=加納悦子,フロスヒルデ=田村由貴絵,3人のノルン=竹本節子,池田香織,橋爪ゆか,管弦楽=読売日響,合唱=新国立劇場合唱団,指揮=飯守泰次郎,演出=ゲッツ・フリードリヒです

 

     

 

運命の女神 3人のノルンたちが過去・現在・未来について語り,神々の終末が近いことを予言する   ジークフリートは妻ブリュンヒルデに指環を与え 旅に出る.ギービヒー族の館を訪れたジークフリートは,アルべリヒの息子ハーゲンの策略により,忘却の薬を飲ませれ 妻のことを忘れてしまう   彼はグートルーネに一目ぼれし,グンターの花嫁としてブリュンヒルデを拉致する.裏切られたブリュンヒルデはジークフリートへの復讐を誓う.指環を狙うハーゲンはブリュンヒルデからジークフリートの弱点を聞き出し,背に槍を突き立て殺害する   ブリュンヒルデは神々を告発しつつ,夫を火葬する炎の中に飛び込む.やがて神々の世界は消滅し,指環はラインの娘たちの手に戻る

 

     

 

主人公のジークフリートを歌ったアメリカ・ヴァージニア生まれのステファン・グールドは,今回の新国立オペラの「ニーベルングの指環(4部作)」の「ラインの黄金」でローゲを,「ワルキューレ」でジークムントを,「ジークフリート」でタイトルロールを,そして今回の「神々の黄昏」で再度ジークフリートを歌い,4部作すべてに出演しました   恵まれた身体から生まれるパワフルな歌唱力で,ほぼ出ずっぱりのジークフリートをタフに歌いこなしますした   この人には安定感があります

ブリュンヒルデを歌ったフランクフルト生まれのペトラ・ラングは,新国立オペラの「ローエングリン」でオルトルートを歌いましたが,今回も美しくも強靭な歌唱力で聴衆を圧倒しました

ハーゲンを歌ったオーストリア生まれのアルベルト・ぺーゼンドルファーは,新国立オペラの「ワルキューレ」でフンディングを歌いましたが,今回も存在感抜群で,凄みのあるバスを聴かせてくれました

ヴァルトラウテを歌ったヴァルトラウト・マイヤーは,バイエルン州立歌劇場とウィーン国立歌劇場の宮廷歌手として活躍しており,この役を38年も歌っているとのことで,出番が少ないのが本当に残念に思うほど,歌唱,演技とも申し分のないパフォーマンスでした

グートルーネを歌った安藤赴美子は,どちらかと言うと「蝶々夫人」のタイトルロールが印象に残るソプラノですが,今回初めてワーグナーを歌うのを聴いて,大健闘だと思いました

アルべリヒを歌った島村武男は,新国立オペラでは「蝶々夫人」のボンゾ役でお馴染みのバリトンですが,小柄な身体を生かした役柄がピッタリでした

グンターを歌ったブルガリア生まれのアントン・ケレミチェフは,新国立オペラの「死の都」でフランク/フリッツを歌いましたが,今回は意志が弱く他人まかせのグンターの性格をよく捉えて歌い演じていました

ヴォークリンデ=増田のり子,ヴェルグンデ=加納悦子,フロスヒルデ=田村由貴絵,3人のノルン(竹本節子,池田香織,橋爪ゆか)の日本人歌手陣も健闘しました

 

     

 

ゲッツ・フリードリヒ(1930-2000)による演出は,やや古めかしく感じる部分もありますが,LEFD照明を駆使するなど光による演出が冴え,奇をてらった演出よりも好感が持てます   特に印象的だったのは第3幕の最後のシーンで,ブリュンヒルデに焦点を当てた演出です

最後に,特筆すべきは飯守泰次郎指揮読売日本交響楽団による演奏です   序幕の冒頭に長く鳴り渡る和音からして尋常ではなく,その時点でワーグナーの世界に引き込まれます   飯守氏のタクトはあくまでも歌手に寄り添い,時に自ら無限旋律を歌い上げます   圧巻は第3幕の「ジークフリートの葬送行進曲」です.「これこそワーグナーの醍醐味だ」と言いたくなるような重量感のある 迫力に満ちた読響ならではの演奏です

かくして,飯守泰次郎氏の新国立オペラ芸術監督の集大成「神々の黄昏」初日公演は大成功里に終わりました

 

     

 

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