2日(金)。昨日午前中、豊島税務署に確定申告に行ってきました 9時ごろ会場に着いて順番を待っている間、ブラームスの「交響曲第1番ハ短調」の第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」のメロディーが流れていました お堅い税務署もなかなかやるじゃん、とちょっぴり親近感を持ちました そこまでは良かったのですが・・・
私は扶養家族の国民年金保険料控除や医療費控除などがあるので、そちらのコーナーに行って説明を受けたのですが、家族の国民年金保険料の控除証明書に「平成28年度分」とあったので、担当者から「これについては、過年度分の扱いなので28年度の所得税の更生請求をしてもらうことになる」と説明を受けました これを受けて、パソコン入力コーナーに行き、入力補助員の力を借りながらすべての必要事項を入力し、税の過不足を計算してもらったところ、1万数千円の不足となりました 例年同じように申告していて例年戻ってくるのに変だなと思い、念のため 先ほどハネられた 家族の平成28年度分の控除証明書を見せたところ、証明書には28年度分〇〇円、このうち29年分証明額〇〇円」と表示されているので、29年分については今回の確定申告に含めても良いことが分かりました 考えてみれば当たりまえのことですが、最初の担当者は間違った情報を話したことになります このため、せっかく時間をかけてすべて入力したのが無駄になり、最初から入力し直しになったため、2倍の時間がかかり 受付から申告書のアウトプットまで2時間半もかかってしまいました 幸い例年通り 少額ながら戻ってくることになりましたが、ブラームスの第1番ハ短調を流す前にやるべきことをちゃんとやってくれよな、破綻調になっちまうよとツッコミを入れたくなりました
ということで、わが家に来てから今日で1248日目を迎え、ノーベル平和賞を選考する委員会の事務局であるノルウェーのノーベル研究所が28日、今年の同賞にトランプ米大統領を推す推薦状を受け取ったが、偽造されたものだとみて警察に届け出たと明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
要するにトランプ氏得意のフェイク・ニュースだった訳ね せいぜい吞める賞だな
昨日、夕食に「鶏のトマト煮」「生野菜とサーモンのサラダ」「エリンギ、レタス、ウインナのスープ」を作りました 「鶏の~」は娘のリクエストです
6月29日(金)午後6時半から日経ホールで開かれる「第473回日経ミューズサロン ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタル」のチケットを取りました 同日の午後1時半からも同じコンサートがありますが、プログラムは①ドヴォルザーク「ロマンティックな小品」、サン・サーンス「カプリス」他で 共通のようです 言うまでもなく、キュッヒル氏は長年ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めたヴァイオリニストです。チケット代3,800円は安いと思います
昨夕、上野の東京文化会館小ホールで「変奏曲とソナタへの誘い」公演を聴きました これは「2018都民芸術フェスティバル」参加公演です。プログラムは①ベートーヴェン「マカベウスのユダの主題による12の変奏曲」、②ブラームス「チェロ・ソナタ第1番ホ短調」、③マルティヌー「ロッシーニの主題による変奏曲」、④ラフマニノフ「チェロ・ソナタ ト短調」です 演奏は、チェロ=堤剛、ピアノ=小山実稚恵です
自席はG列18番、センター左ブロック右から2つ目。会場は満席です 堤+小山の人気コンビによる演奏のせいでしょうか
1曲目はベートーヴェン(1770-1827)の「マカベウスのユダの主題による12の変奏曲」です この曲は1796年頃の作品で、主題はヘンデルのオラトリオ「マカベウスのユダ」第3幕の合唱「見よ、勇者の帰還を」です と言っても分からないかも知れませんが、学校の運動会などで表彰台に上がる時に流されるお馴染みの音楽です
堤氏と、銀のラメ入り衣装の小山さんが登場、さっそく演奏に入ります ベートーヴェン26歳の若き日の作品ということもあり、変奏と言ってもさほど複雑な展開はなく、演奏者にとっては小手調べといった印象を受けます 演奏者が優れているからそう感じさせるのだ、という解釈も成り立つかも知れませんが
2曲目はブラームス(1833-1897)の「チェロ・ソナタ第1番ホ短調」です この曲は2曲のチェロ・ソナタのうち1番目の作品で、作曲者32歳の時 1865年に作曲されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグレット・クアジ・メヌエット」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります
プログラム・ノートには、バッハの「フーガの技法」やベートーヴェンの「チェロ・ソナタ」などの研究成果が生かされている曲である旨書かれていますが、私はそれほど詳しくないので聴いていても分かりませんでした しかし、この頃からすでに、ブラームスは”秘めた情熱”とでも言うべき曲想を漂わせていることは分かります 第1楽章冒頭はチェロのソロから入りますが、まるでコントラバスが演奏しているのかと思うほど重低音が響き、驚きました こういう曲は堤剛氏の独壇場です。素晴らしい演奏でした
休憩後の最初はマルティヌー(1890-1959)の「ロッシーニの主題による変奏曲」です ボヘミア出身のマルティヌーはチェコ・フィルの第2ヴァイオリン奏者としても活躍していた作曲家です この曲は ロッシーニが1818年に作曲した歌劇「エジプトのモーゼ」から採った踊るような主題に基づくもので、4つの変奏とコーダによって構成されています 曲想としては、ロッシーニの歌劇特有の早口言葉によるアリアのようなフレーズがあったりして実に楽しい曲です 堤氏と小山さんの丁々発止のやり取りは、演奏する側が楽しんでいることが窺え、聴いている方も楽しくなってきました
最後の曲はラフマニノフ(1873-1943)の「チェロ・ソナタ ト短調」です この曲は1901年(作曲者28歳)に作曲されました。第1楽章「レント~アレグロ・モデラート」、第2楽章「アレグロ・スケルツァンド」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「アレグロ・モッソ」の4楽章から成ります
この曲を聴いた印象は、ロマンティックでありドラマティックです 堤氏の演奏はまさにそのロマンティシズムの極致を行くもので、「円熟の演奏とはこういう演奏を言うのだろう」と思わせる素晴らしいパフォーマンスでした
私が堤剛氏というチェリストを再認識したのは、バッハでも、ブラームスでもなく、昨年4月22日にミューザ川崎で開かれた東響定期公演でのグバイドーリナ「太陽賛歌」の演奏でした それ以来、幅広い音楽表現と深い洞察力による演奏に惹かれるようになりました その意味では、昨夕のラフマニノフは、今まで聴いてきた堤氏の演奏の中で頂点を極める演奏でした
満場の拍手とブラボーにアンコールとしてカザルス「鳥の歌」、次にサン・サーンス「白鳥」を演奏しましたが、これはやらない方が良かったように思います せっかくのラフマニノフの名演を強く印象に遺すべきでした