人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

高関健+東響でモーツアルト「行進曲K.335第1番 ~ ポストホルン・セレナーデK.320 ~ 行進曲K.335第2番」を聴く ~ 冴えわたる木管楽器群の名人芸:モーツアルト・マチネ第33回公演

2018年04月29日 07時51分30秒 | 日記

29日(日)。わが家に来てから今日で1305日目を迎え、トランプ米大統領が27日、韓国と北朝鮮による南北首脳会談を「歴史的だ」と高く評価し、北朝鮮の核問題の解決に関して「(米大統領の)私に責任がある」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       11月の中間選挙を念頭において張り切るのはいいけど 気まぐれだから 危なくね?

     

        

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで東京交響楽団「モーツアルト・マチネ」第33回公演を聴きました プログラムはモーツアルト①行進曲 ニ長調 K.335 第1番、②セレナーデ第9番ニ長調「ポストホルン」K.320、③行進曲 ニ長調 K.335 第2番です 指揮は東京シティ・フィル常任指揮者の高関健です

 

     

 

新シーズンを迎え、1階センターブロック左サイドに席を移動しました

開演にあたり指揮者の高関健氏がマイクを持って登場、この日のプログラムについて説明しました

「今日演奏するのは『ポストホルン・セレナーデ』です 前後に演奏する行進曲を含めて ちょうど1時間かかります。『セレナーデ』というのは夜 貴族たちがくつろぐときに屋外で演奏されたBGMのような音楽です 『ポストホルン』というのはホルンに似た小型の管楽器で、もともとは郵便馬車や駅馬車の発着を知らせるために用いられた楽器です。当時は セレナーデの演奏者が入退場する際に行進曲が演奏されたと考えられており、今日は最初に弦楽器5人だけで行進曲の演奏を開始し、次に『ポストホルン・セレナーデ』を演奏、その後 再び行進曲を演奏する形をとります   この曲は特に第3楽章から第6楽章にかけて管楽器の名人芸が聴けますので、楽章が終わったら盛大な拍手をお願いします

そして、高関氏の指揮で、第1ヴァイオリン(水谷晃コンマス)、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1人の5人により「行進曲K.335」の第1番の演奏が開始されます 5人が演奏しているうちに他の楽員が三々五々入場してきて演奏に参加します これは高関氏のアイディアだと思いますが冴えた演出です この曲は短いながら躍動感あふれる音楽で、荒絵理子のオーボエが活躍します 曲の中盤で歌劇「ドン・ジョバン二K.527」の第1幕終盤のドン・ジョバンニ邸でのパーティーで踊られる「メヌエット」のメロディーが聴こえてきてビックリします

 

     

 

次いで『セレナーデ第9番ニ長調”ポストホルン”K.320』の演奏に入ります この曲はモーツアルトが23歳の時、1779年8月にザルツブルクで作曲されました。何らかの祝祭のために作られたと考えられますが、明確な目的は分かっていません 第1楽章「アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・スピーリト」、第2楽章「メヌエット:アレグロ」、第3楽章「コンチェルタンテ:アンダンテ・グラツィオーソ」、第4楽章「ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第5楽章「アンダンティーノ」、第6楽章「メヌエット」、第7楽章「フィナーレ:プレスト」の7楽章から成ります

高関氏はタクトを使用しません。両手で音を紡いでいきます 第1楽章が力強い序奏で開始されます。この曲は大好きなモーツアルトの作品の中でも最も好きな曲の一つなので、この序奏を聴くとワクワクしてきます 第3楽章は木管楽器群の名人芸のオンパレードです。冒頭から甲藤さちのフルートと荒絵理子のオーボエがモーツアルト・ワールドを展開し、ファゴットの福士マリ子が加わり色彩感豊かなアンサンブルを奏でます それは第4楽章にも受け継がれ、木管楽器群が軽快なテンポで演奏し大活躍します

第5楽章はこの作品の中で唯一の短調楽章です。冒頭から哀愁に満ちた旋律が支配します 他の楽章が「光」だとすれば、この「アンダンティーノ」は「影」と言えるでしょう。モーツアルトの光と影はいつも隣り合わせに存在しています

第6楽章「メヌエット」は明るく力強く始まり、次いで濱崎麻里子のピッコロが主旋律を奏で、後半になるといよいよポストホルンの登場です 演奏の途中で ステージ下手からポストホルンを手にした演奏者が登場、第1ヴァイオリンの手前で演奏します 冒頭、ちょっと外しましたが、全体を通してみれば そんな些細なことは吹き飛ぶくらい 素晴らしい演奏でした   そして、第7楽章はテンポを上げ、怒涛のフィナーレになだれ込みました

管楽器群を中心に立ち上がって大きな拍手を受けますが、もう1曲残っています   退場のための音楽「行進曲ニ長調K.335」の第2番が演奏されます 曲の終盤になると、今度は開始時とは逆に、演奏者が一人二人と三々五々抜けていきます 最後には最初に登場した5人の演奏者だけが残り、曲を閉じました。5人だけ拍手を受けるわけにはいかないので、全員が呼び戻され、大きな拍手を受けました

木管楽器群を中心とする東響メンバーの素晴らしい演奏もさることながら、メイン曲目の前後に行進曲を置き 演奏者を増やしたり減らしたりする高関氏の演出(指揮はもちろん)が素晴らしく、最初から最後まで十二分に楽しむことが出来ました 私はこの1時間 密かに足で拍子を取りながら 終始ご機嫌に過ごしました 生でモーツアルトが聴けるのは最大の喜びです 

その意味では、東響に限らず どのオーケストラでも 定期演奏会で もっとモーツアルトの「セレナーデ」や「ディヴェルティメント」を取り上げてほしいと思います

『ポストホルン・セレナーデ』は、7つの楽章すべてがモーツアルトのエッセンスが凝縮された素晴らしい音楽です まだ一度も聴いた経験のない方は 是非お聴きになることをお勧めします ご参考までに私の愛聴盤をご紹介しておきます 1枚目はカール・べーム+ベルリン・フィルによるCD(1970年5月録音)です

 

     

 

2枚目はジョージ・セル+クリーヴランド管弦楽団によるCD(1969年1月録音)です

 

     

 

カップリング曲はどちらも「アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525」です

3枚目はクラウディオ・アバト+ベルリン・フィルによるCD(1992年9月録音)です これは行進曲~ポストホルン・セレナーデ~行進曲の順に収録されています。カップリング曲は「ディヴェルティメントK.251」となっています

 

     

 

いずれも甲乙つけ難い名演です

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