人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林研一郎+仲道郁代+読売日響でグリーグ「ピアノ協奏曲」、チャイコフスキー「悲愴」他を聴く~アダージョ・ラメントーソの演奏

2018年03月06日 07時49分54秒 | 日記

6日(火)。わが家に来てから今日で1252日目を迎え、トランプ米大統領が3日にフロリダ州の別荘で開いた政治資金パーティーの演説で、中国の習近平国家首席が 憲法が定める国家主席の任期制限を撤廃し 長期政権を目指していることについて「彼は今や終身国家首席だ。彼はそれをやることが出来た。素晴らしい。いつか我々も挑戦してみるか」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      習氏が任期制限撤廃の終身国家首席なら トランプ氏は人気暴落の終身刑かもね

 

    

 

昨日、夕食に「豚バラ 甘酢ネギ胡麻だれ」「生野菜とタコのサラダ」「ウインナとキャベツとミニトマトとエリンギのスープ」を作りました これでも 毎日 栄養のバランスに気をつけているのですよ

 

     

 

     

 

昨夕、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで読売日本交響楽団のコンサートを聴きました これは「2018都民芸術フェスティバル」参加公演です。プログラムは①チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」、②グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」、③チャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です ②のピアノ独奏は仲道郁代、指揮はコバケンこと小林研一郎氏です

 

     

 

オケのメンバーが配置に着きます。弦楽器はいつもの通り、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという配置です コンマスは小森谷巧氏です

1曲目はチャイコフスキー(1840-93)の歌劇「エフゲニー・オネーギン」の第3幕冒頭に演奏される「ポロネーズ」です この歌劇は1878年に完成し、79年にニコライ・ルビンシテインの指揮で、モスクワ音楽院の学生たちによって初演されました

コバケンが指揮台に上がり さっそく演奏に入ります 読響の華麗で煌びやかな演奏を聴いて、METライブビューイングで観た「エフゲニー・オネーギン」(アンナ・ネトレプコがタチアーナを歌った)の舞踏会シーンを思い出しました つくづくチャイコフスキーはメロディー・メーカーだと思います 曲の終盤で、コンマス小森谷氏のヴァイオリンの弦が切れたのか、隣のアシスタント・コンマス 伝田氏のヴァイオリンと交換して演奏しました。力演でしたから無理もないでしょう

次のグリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」の演奏に備えてグランド・ピアノがセンターに移動します。ピアノ椅子の後ろの2本の脚に”下駄”を履かせて高くしています このまま座ると前のめりになる傾斜です。仲道さんも場合はいつもそうするようですが、これによって前のめりに演奏するかと言えば決してそうではありません

仲道郁代さんが黒を基調とする衣装で登場、スタンバイします グリーグ(1843-1907)の「ピアノ協奏曲イ短調」は、ソプラノ歌手ニーナとの結婚の翌年(1868年)に作曲されました 第1楽章「アレグロ・モルト・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・モデラート・モルト・エ・マルカート」の3楽章から成ります

コバケンのタクトで第1楽章がドラマティックに開始されます この楽章で一番良かったのは仲道さんの美しくも力強いカデンツァです 第2楽章の冒頭、管弦楽だけで穏やかなメロディーが奏でられますが、とくに弦楽器がとても美しく響きました 仲道さんのピアノは抒情的です。第3楽章ではフリスト・ドブリノヴのフルートと日橋辰朗のホルンが冴えていました

演奏後、仲道さんが「マエストロからのリクエストで、ショパンの遺作(注:ノクターン第20番嬰ハ短調”遺作”)を演奏します」と告げて演奏に入りました コバケンは小森谷氏の椅子に半分腰かけて聴き入りました。マエストロ、小森谷さんはコバケンさんの子守やありまへんで


     


休憩後はチャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です この曲は1893年2月頃に着手され 8月に完成、10月にチャイコフスキーの指揮で初演されました。第1楽章「アダージョ~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・コン・グラーツィア」、第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アダージョ・ラメントーソ」の4楽章から成ります

第1楽章はファゴットの静かな旋律で始まりますが、吉田将氏の演奏は安定感抜群で深みがあり、”悲愴”の開始を告げるのに相応しい演奏でした 次いで、ヴィオラが前面に出て苦悩の旋律を奏でますが、柳瀬省太氏率いるヴィオラ軍団の演奏は中音域の魅力がたっぷりでした 中盤では金子平氏のクラリネットが冴えていました 第2楽章はチャイコフスキーらしいワルツです やっぱり彼は屈指のメロディー・メーカーです 第3楽章はタランテラのリズムと行進曲です 大管弦楽による あまりにも勇ましく うねるような音楽に、楽章が閉じた瞬間、あってはならないアクシデントが起きました  1階右後方(もしくは2階右前方)の客席から複数の拍手が起こったのです   そこは この道ン十年のコバケンさんです。タクトを持った右手を上げたまま、左手で拍手を制していました。さすがです  こういうアクシデントはオケの定期演奏会では絶対と言ってよいほど起こりません  この日の「都民芸術フェスティバル」のような一時的なコンサートならではの事象と言えると思います  「普段はクラシック・コンサートに行く機会がないけれど、良いチャンスだから聴きに行ってみよう」という意欲は素晴らしいことだと思います。そうであれば、せめて事前にプログラム・ノートに目を通し、この曲が4楽章から成ることを知っていてほしいと思います。楽章間の拍手は指揮者や演奏者の緊張感を削ぐ恐れがあります

プログラム・ノートによると、「第4楽章は 初演時の速度標語が『アンダンテ・ラメントーソ』だったが、チャイコフスキーの死後、この曲を再演した指揮者が追悼の意からもっと遅い『アダージョ』に書き換えて演奏して以来、『アダージョ・ラメントーソ』の速度が踏襲されてきた」とのことです なお、「ラメントーソ」とは「嘆くように」という意味です

コバケン+読響の演奏は、チャイコフスキーの慟哭が聴こえてくるような深く悲しみに満ちた演奏でした チャイコフスキーはこの交響曲第6番”悲愴”の初演から5日後の11月2日にコレラを発病し、11月6日に53年の生涯を閉じています

コバケンはいつものように拍手を制し、「まもなく、あの忌まわしい3.11がやってきます。あの災害で亡くなられた被災者を偲んで『ダニー・ボーイ』を演奏して故人を偲びたいと思います」と語り、演奏に入りました あらためて言うまでもなく、小林研一郎氏は福島県の出身です。同郷の人間としてこだわりが強いのでしょう しみじみと良い演奏でした

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