人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

向田邦子原作・森田芳光監督「阿修羅のごとく」を観る~大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子ら当時の人気女優の饗宴~神保町シアター

2018年05月16日 07時51分52秒 | 日記

16日(水)。わが家に来てから今日で1322日目を迎え、サントリースピリッツは 需要拡大に伴い原酒が不足し 販売を続けるのが困難になったとして「白洲12年」と「響17年」を販売休止する と発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       うちのご主人は ビンテージ・ウィスキーにはまるで縁がないからな  って君だれ?

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉と玉ねぎの甘辛炒め」と「生野菜サラダ」を作りました 「牛肉~」は牛肉に「醤油、酒、サラダ油、にんにく、片栗粉」をもみ込んで冷蔵庫で30分冷やしてから、さらに「醤油、酒、味醂、砂糖」で炒めます 作った本人が言うのも何ですが、すごく美味しくできました

 

     

 

         

 

現在、神保町シアターでは「にっぽん家族の肖像~映画で観る昭和の家庭風景」シリーズを上映中です   昨日、森田芳光監督による2003年公開映画「阿修羅のごとく」(東宝・136分)を観ました  これは向田邦子原作によるNHKの名作ドラマ(1979年)を映画化したものです 仲代達也、小林薫、八千草薫といったベテラン俳優陣とともに、大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子といった当時の人気女優が火花を散らします

 

     

 

時は昭和54(1979)年の冬。70歳を超える父・恒太郎(仲代達矢)に愛人と子供がいることが発覚する それを知った竹沢家の四姉妹は大騒ぎになる この事件を契機に、長女の網子(大竹しのぶ)は亭主に死なれ 妻ある男と別れるに別れられない関係を続けていること、次女の巻子(黒木瞳)は亭主(小林薫)の浮気を疑いながら生活していていること、三女の滝子(深津絵里)は真面目で恋愛に疎く婚期が遅れていること、四女の咲子(深田恭子)はボクサーと同棲しているが関係が上手くいっていないことなど、それぞれが抱える問題が露わになっていく

 

     

 

この映画は確か3年前に一度観ていますが、今回あらためて凄いと思ったのは父親・恒太郎を演じた仲代達也の静かな演技です 四姉妹を演じた女優たちはそれぞれの持ち味を出しており、まさに適材適所といった配役です 深津絵里がいかにも図書館の司書と言った感じの超真面目でぎこちない30歳直前の独身女性を見事に演じています 巻子役・黒木瞳 対 夫・鷹男の秘書役・木村佳乃の対決は見ごたえがありました

映画の最後は亡き母親の墓参りのシーンですが、鷹男が妻・巻子に「本当はあなたのこと 信じていないのよ」と言われて、墓前にお線香をあげるのですが、手を合わせてひと言つぶやきます

「女って阿修羅だよな

そしてエンドロールになります。一般的に「阿修羅」とは仏教の守護神の一人ですが、この映画における「阿修羅」は「修羅場」の修羅だと考えると分かり易いと思います この世に生きとし生ける者は 誰もが 大なり小なり 修羅場をくぐってきたし、まさに現在修羅場にいるのかもしれません 

 

     

 

ところで、私は向田邦子の作品が好きで、小説、随筆の類はほとんどすべて読んでいます 向田邦子は実践女子専門学校(現・実践女子大)の出身ですが、今から10年以上前 娘がその系列の女子高に入学したのをきっかけに彼女の作品を読むようになりました 人々が日常生活で交わす何気ない本音の言葉を掬い取り、味わいのある文体で表現するスタイルは、誰でも真似が出来るようで誰にも出来ない境地に至っています   心地よいテンポによる文章のリズム感が最大の魅力です

「阿修羅のごとく」(文庫本 1999年 第1刷・上の写真は2003年 第8刷)の解説を女優・南田洋子さんが次のように書いています

「『阿修羅のごとく』が書かれた昭和54、5年ごろはホームドラマの全盛期でした。私もずいぶん出演しましたし、観てもまいりましたが、取り繕われた部分が多くて、『うそーっ』と叫びたくなることがしばしばありました 向田さんは、そういうものを全部排除して、本音でお書きになっていらっしゃった。そういうところに魅かれたのです

 

     

 

向田邦子は1981(昭和56)年8月22日、台湾での取材旅行中に飛行機墜落事故で死去しました。享年51歳でした あまりの突然の、あまりの若い死に 彼女を惜しむ声は絶えませんでした もし、その後も生き長らえて テレビドラマを観たら、どんな感想をもったでしょうか?   現在に至るテレビドラマの未来を信じることが出来たでしょうか

 

     

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