rocky boyd、 1枚のリーダーアルバムを残しただけでジャズの世界から去ったテナーマン。他にはサイドマンとしての録音すら無いまさに幻のミュージシャンだ。読んだ話だと大金持ちの女性と結婚し逆玉の輿状態で引退したらしいが、それなら却って演奏活動に集中出来たのではないかと思うのだが・・・。さて、内容の話ですね。boyd以外の参加ミュージシャンは皆一国一城の主というか、それなりに足跡を残した面々ばかりなので演奏の土台はガッチリしており安心して聴けるし、彼のテナーは特徴が無く平凡だが聴けるプレイをしていると思う。スタンダード主体にジャズマンオリジナルを挟む構成も良い。3曲目『why not』がcoltraneの『impressions』と同じという件、確かにテーマメロディは共通しているがコンセプトがまったく異なり別物。以前に記載した『gary bartz/there goes the neighborhood!』にも『impressions』が演奏されており冒頭のテーマは逆に違うメロディで始まるが伝わって来るのはまさにインプレッション、10分余の吐露を経て現れる後テーマはお馴染みのメロディだが、それもすぐに『so what』が現れてエンディングとなる。
これ等の創作行為は作曲ではなく演奏にあって、此の辺りにジャズと著作権の複雑さがあるのだろう。
◆MUSIC DATA
- Avars (Rocky Boyd) 7:39
- Stella by Starlight (Victor Young) 4:59
- Why Not? (Pete La LaRoca) 7:19
- Ease It! (Paul Chambers) 10:28
- Samba De Orfeu (Luiz Bonfa) 4:31
- West 42nd Street (WilburHarden) 4:23
- Stella by Starlight* (alternate take) 5:12
- Why Not?*(alternate take) 9:14
- Samba De Orfeu* (alternate take) 4:28
- West 42nd Street *(alternate take) 3:48
*=bonus track
◆PERSONEL
ROCKY BOYD (Ts)
KENNY DORHAM (Tp)
WALTER BISHOP Jr (P)
RON CARTER (B)
PETE LAROCA(Ds)
◆RECORDED
1961.3.13
◆LABEL
JAZZ TIME