世相の潮目  潮 観人

世相はうつろい易く、その底流は見極めにくい。世相の潮目を見つけて、その底流を発見したい。

鉛筆ビルが林立する大通りは美しいか?

2017年11月12日 | Weblog




人の心はうつろいやすく、世相の変わるのは早いものです。それに比べれば、家並み、街並は余り変わらないものでが、変わらない筈の家並み、街並も時代と共に何時の間にか変わっていくものです。

暫くぶりに都内の大通りを歩く機会がありました。嘗ては道路の両側に低層階のビルが並んでいましたが、今は背の高く細長いコンクリートの中層階のビルが隣接して建ち並んでいます。

その姿は恰も鉛筆を立てたようなので、人はこれを鉛筆ビルと言います。色も形も不揃いなので街並として美しいものではありません。

細長い数個のビルを合体して一つの大きなビルにした方が、経済的だし、地震にも強いと思うのですが、なかなかそうはならないのです。夫々の土地の所有者は自分自身の建物を建設する権利を主張して、土地の統合利用の話し合いが纏まらないそうです。

大通りに鉛筆ビルが建ち並ぶ光景は外国では滅多に見られません。来日してこれを見たある外国の識者は、日本の土地所有者は共同開発の協力精神に欠けていると評していました。背後に聳える大きな高層ビルの前で、不揃いに並ぶ鉛筆ビルは滑稽ですらあります。

もともと道路は公共物であり、大通りに面した土地の利用には公共性が求められます。道路の容貌の美醜は、両側に建ち並ぶ建物の容貌で決まります。ですから道路に面した土地の所有者は、大通りは街の顔だと考えて、街並の美観に配慮する位の公共心を持って欲しいものです。
(以上)
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