これは知人の話であって
決して友人などではない。



彼は車の運転中に事故に遭った。
彼には過失はなく、
当然相手側の保険会社と
補償について交渉を始めた。

その交渉中、
何か気に障ることがあったようで、
これまた知人にこう打ち明けるのを聞いた。

「許せへん。徹底的にやったる。
裁判に持ち込んだる。」



ワタシはとても嫌な気持ちになった。
確かにそういうケースもあるだろうが、
彼が落とし所を間違えているとしか
ワタシには思えない。

何故なら、その話をしている彼が
とても楽しそうに見えたからだ。




楽しそうな、そして自慢げな彼の話を
聞かされる羽目になった知人。
そして、
間接的に聞かされる羽目になったワタシ。

誰一人として幸せになれない。
それは彼の言動に端を発している。
仕事で遭遇する厄介なクレーマーと
彼の姿が重なる。



知人であることをやめたくなる。
とても残念に思う。