504~507日目【アルゼンチン】Salta (サルタ)への道 Day5~Day8 終盤戦

2015年10月26日~29日
ようやく町と呼べる所に着き、雷雲立ちはだかり一時停止し、そしてサルタ到着。

アルパカの天国があった

 Paso Sico (シコ峠)のアルゼンチン国境事務所で1泊しました。出発前に入国スタンプを貰います。もうこういった出入国手続きは慣れたもんで緊張感が全くありません。このついでに飲み水も貰っていきました。

【26日: 塩湖付近で野宿】

 Katúaという町方面へ向かいます。国境事務所からはもう一本太い道が出ていますがそちらは誤りです。グーグルマップとGPSを照らし合わせれば正しい道は自ずと出てきます。

「さて今日はどこまで行こうかな?相変わらずの悪路だけど、オラカパトチコという町の近くまで行こうか。50kmくらいだな」

 国境事務所付近には両替商は居ないし、通過する町にATMも無いので、135km先のサンアントニオまでアルゼンチンペソを持てませんので、買い物ができない。アタカマにいる時にアルゼンチンペソを作っておくべきでしたね。

Katúa付近。綺麗な川があるが、塩の析出が見えるため、塩っぱいかもしれない

 Katúaを通過すると峠越え開始なのですがキツかった。深砂とコルゲーションのコンビネーションですね。とにかく時間がかかるので、頑張らないのがコツです。言ってしまえば、自転車に乗るも歩くも、使う時間に大差はないということです。頑張れば自転車に乗れる道は、押して歩くのがベスト。

塩湖と言ってもこういう所がほとんど。ウユニのような所は稀。

 4300mの峠越えを果たすと塩湖まで下り。塩湖ど真ん中を通る比較的スムースな道を走りきった先、線路に隠れる場所で野宿です。

向う側の土盛りが線路で、更に向こうに車道があり、こちらの姿は見えない。この辺りは小枝が散乱していて薪ストーブに役立つ反面、トゲのある枝も見られるため、テントに穴を空けられないように注意する

「キツイ道ほど時間を掛ける。これはノウハウのひとつ。自転車旅行での心身の疲労は頑張ることによって生じる。介護と同じ」

走行距離: 56km
積算走行距離: 18438km


【27日: サンアントニオでホテル泊】

 行動食用のクッキーが尽きてしまったので、米2合炊いて半分を朝飯に、残りを行動食としました。炊くときにケチャップと塩少々を入れて、ケチャップライスにしています。そういえば、ふりかけと味噌汁とお茶漬け海苔も無くなってしまったのです。ブエノスアイレスに日本か韓国食材店があれば、味噌は手に入るかもしれない。ちなみにもう行動用の他に水も無くなりました。

「今日は4500mの峠をひとつ越えるとサンアントニオまでダウンヒルと思う。サンアントニオが標高3780mくらいだ。走行距離は70kmくらいあるが、何とか到着したい」

 野宿地点が3900mくらいですので600mアップですが、何度も言ってるか分かりませんが、標高の高さによる息切れと悪路が重なると、低地では余裕の標高アップでも相当にキツくなります。600mアップだと低地では2時間半くらいで突破できますが、今日はどのくらい掛かるか、恐らく倍以上は掛かるでしょう。

未舗装の緩い坂道。グニャグニャ曲がって上るけど、こういう道が私の好み

綺麗な川がある。アルパカは普通に飲んでいるので、たぶん塩っぱくないかも

 傾斜緩めの上り坂を行きますが、緩いといかんせん飽きてきます。こういう時は音楽を聴きながら走るのがコツです。交通量は少ないし、道の端っこを走るように自分の走りに集中していれば、自動車は勝手に空きスペースを通過してくれる。

「7時半出発で現在…12時半。5時間経った。まだ上っているものの、頂上が見えてきた。もうすぐ終わり、もう一息」

峠。ここに到達した時、ソルトレイクシティ前のガーズマンパスを越えた時と同じ感動があった

 峠を越えて「ヨッシャー、やったー!」と声に出してダウンヒル開始。最後のひと上りは押して上ったものな。もう後は下るだけ…と思いきやちょっとした上りを挟んできました。こういうのホント要らない。上るときは一方的に上らせるくせに、下るときはちょくちょく上りを挟んでスンナリ行かせないという。


サンアントニオ。閑散としているが、新しい建物の建築ラッシュでもある

 サンアントニオの町中に着いて久し振りの舗装路を体感。滑るようだ。

「さて先ずは金を、アルゼンチンペソを作らなけりゃならん。USドルを両替したいのだが、Cambio (両替商)が無い。ATMで下ろすしかないのか」

 ところがATMでは「あなたのカードは当ATMでは使えません」との表示が出てお金を下ろせない。こういうことはよくあるから他のATMで試すと良い。そこで警備の人に「他にATMは無いか」と聞くも「無い」と。「そこの銀行で両替できませんか?」と聞くも「できない」と。Cambioはこの町に無いのかと聞いても「サルタまで無い」と。

「…こりゃあマジに参ったな、金無いわ。どうする?川あるから水取って野宿?…いや、もう一度ATMにトライだ」

 そうしたら呆気なく下ろせたんですよね。2台並んでいて、送金とか預金とかができる機能豊富な方の台で手続きをしたら下ろせました。物価が分からないので取り敢えず500ペソ (6000円)。

 グーグルマップに記載のあるホテル (Hotel Sumac Samai)に行ってチェックイン。1泊200ペソ (2400円)でした。結構高い…というかボリビアやペルーの物価意識になっているのでそれに比較すると高いのであって、日本・カナダ・アメリカとの比較では半額くらい。熱々シャワーで朝食付き。

 物価調査のためにクッキーやパン、果物、飲み物などを買っていくとスルスルっとお金が消えていく。恐ろしい…。レストランの価格を覗くと60ペソ (720円)。ペルー・ボリビアなんか200円でそこそこ食えるというのにショックです。まぁ金掛かっている分豪勢ではある。

 アルゼンチンクオリティーが金を掛けた分に反映されたものだとしたら、本質的なクオリティーはペルー・ボリビアと変わらないのかもしれないな。金を掛けりゃ立派なものを作れるのは当たり前だから。もう一歩先をゆく豊かさがあるのなら、人の意識が本質的なクオリティーを上増しさせるはずだから、その国の豊かさを見抜くということは、街の規模や扱っている物のクオリティーだけでなくて、人を見なきゃいけない。仕事振りや掃除、話し方、所作、服装、道端のゴミ (ポイ捨てがあるか)、落書きなど、人を見るには仏の洞察が役に立つ。

走行距離: 72km
積算走行距離: 18510km


【28日: 林で野宿】

 ホテルで朝食をお腹いっぱい詰め込んで出発。サンアントニオから先は流石に舗装路だろうと思っていたら、サルタ方面22km先まで未舗装という憂鬱。

サンアントニオを上から。新興住宅地建設ラッシュ

いつまで続くのか、この未舗装路

憂鬱なのは自動車の起こす砂埃だ

ようやく舗装路になった。嬉しい(^ν^)

 舗装化後、余裕な峠をひとつ越えてからは下りまくる。が、サルタ方面に雷雲が発生中のようで、そちらから半端ない向かい風が吹いてくる。

下り途中、標高を下げるから植生の変化に興味があったが、主たる変化は山にサボテンが生え始めたことくらい

雷雲、そして強風向かい風

「今日でサルタに着いてしまおうと思っていたのに、こりゃ無理だわ。潔く諦めて野宿張ろう」

あの辺りの林で良いだろう


 というわけで午後1時で本日終了。何も無い日でした。こういう日も珍しいな。

走行距離: 87km
積算走行距離: 18597km


【29日: サルタ到着】

 昨日夕刻。この辺りは遊牧がされているようで近くまで牛飼いが来ました。犬も一緒に。

「犬は面倒だな。明日朝、遊牧開始前にこの場から撤退だ」

日の出前の出発は寒い

 ということで時刻は忘れましたが日が出る前に出発。

どういうこっちゃねん、未舗装路って

 このままサルタまでそりゃ当然舗装だろうと思っていたら、野宿地点から27km先から未舗装路に。なんやねん…なんでやねん。

「何故だ!意味分からん…」

 どうも断崖絶壁の道があるのが原因か。舗装化の目処が立っていないのでしょうね。その他の場所は工事中ですのでいつか舗装されるのでしょう。

この綺麗に整えられた車道と街路樹、この雰囲気は…

SLは鉄ヲタでなくても萌える


この機関室がね、良いんですよ

 49km走って着いたCampo Quijanoはアメリカの田舎町でした。アルゼンチンクオリティー恐るべし。これまで通ってきたどの中南米のどの田舎町より立派です (チリは除く)。チリのサンペドロから走ってきてようやく先進的な町並みを拝めて感動しっぱなしでした。サルタに一気に期待が高まります。

サルタ市内に入ると一気に都会の雰囲気に




 そして辿り着いたサルタ。エクアドルのクエンカの様な雰囲気がありつつ、喧騒と、そしてメルカド。好きな街になる予感ムンムン。さてひとまず3泊 (Hostal Posada de Don Simon)してサルタライフを満喫しますかね。

走行距離: 83km
積算走行距離: 18680km

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