その3日後・・・
玲奈はある雑居ビルにきていた。
ここは、4階建てで、
築50年ぐらいの古ぼけたビルである。
一階が駐車場で2~4階がオフィースだが
もう、ここに入居している会社は
ターゲットのみであった。
このビルの3階でターゲットの
山中直人33歳は
アルバイトのフリーターを
使って、無差別に詐欺の電話をかけていた。
時計の針が18時をまわり
アルバイトの人間が帰り
山中も整理をして帰る準備をしていた。
すると、ノックの音がしたのだ。
山中は身構える。
まさか、警察がきたのでは??
そう思って、山中は反応しない。
「あの~~火災警報器の交換をたのまれて
きたのですが・・・」
ドア越しに声がした。
山中はホッとして、ドアを開ける。
すると、そこには作業服をきた玲奈が立っていた。
「奥にこの機械を取り付けたいのですがいいですか?」
玲奈は警報器の箱を見せた。
「ああ、もう帰るから、早くしてくれよ!」
山中はそう言って、玲奈を部屋に招き入れた。
部屋の中ほどまで入った途中で
玲奈は立ちどまり、振り向かないまま
言葉を発した。
「あ~~そうそう、木下さんから伝言です」
「だれだ?木下って?」
「あなたにお金をだまし取られて、
自殺した木下正子さんですよ!」
玲奈は、まだ背中を見せたままだった。
「なに・・・!おまえだれだ!」
山中は玲奈に詰め寄ろうとした。
すると玲奈は振り向き
左腕の裾に仕込んでいた
アイススピックを取り出し
心臓につき刺した。
そして、素早く背後にまわって
タオルで山中の口を抑えて
声が漏れるのを防止したのだ。
「山中さん、あなたの命はたったの50万よ!」
そう言って、玲奈はアイスステックを抜いた
静かの倒れ込む山中であった。
玲奈は蔑んだ目で山中の死体を見つめ
部屋をでるのであった。