玲奈は作業服に身を包み足早に
雑居ビルをでた。
すると左横から走ってきた金髪の女性とぶつかったのだ。
「いた~~~い!!気をつけてよ!」
女性は尻餅をついていた。
「何言ってるの!
あなたがぶつかってきたんでしょ!」
玲奈は倒れはしないでいたが
右腕に痛みを感じていた。
「あ・・・ごめん!」
そう言って、女性は玲奈が出てきた
雑居ビルの階段の裏手に身を潜めた。
その10秒後だった・・・
2人組の若い男性が走ってきた。
「いま、この辺に金髪の若い女性を
見なかったか・・・」
玲奈はそれが階段に隠れている
女性だとすぐに理解した。
「先ほど、あちらの方に走っていきましたけど!」
玲奈は男達が走ってきた進行方向を指で差した
「あっちか!おい、いくぞ!」
男達は血相を変えて走り去った。
それを見ていた女性は姿を現した。
「ありがとう!助けてくれて!
私の名前はジュリナ。あなたは?」
「名乗るほどでもないわ!じゃあね!」
玲奈はそう言って、去ろうとした。
すると、ジュリナは玲奈の手を掴んだ。
「ねえ、お願いがあるんだけど!!」
「ちょと、なに??離してよ!」
玲奈は手を払いのけようとした。
「ここで会ったのも何かの縁でしょ!
ね!お願い!!」
玲奈は係わりたくないはずなのだが
このジュリナの屈託のない笑顔をみていると
断ることが出来なかった。