定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) | |
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中央公論新社 |
まだ早いといわれそうですがサラリーマンであれば定年のことは考えずにはいられないものでしょう。特に仕事に追われているとそのことは意識しづらいですが40を過ぎると段々と居所がわかってきて45を過ぎればほぼ会社での絵姿というのは見えてくるのかと思います。一方で定年後は会社というセイフティネットがなくなる分全く違う世界になりますので心構えと準備が必要ということになります。会社生活が順調であればあるほど仕事がなくなったというギャップは大きくなることでしょう。
定年を経験した筆者もフィールドワークで同じ定年後のサラリーマンが苦闘する姿を取材して書かれておりある意味生々しい絵姿が描かれています。
定年後の時間は、約40年間の現役勤労時間の8万時間を超える勢いなのですが一方で多くの勤め人がこのことを自覚しないまま社会や家庭から繋がりをなくした孤立生活に陥ることが多くとくに社交性の薄い男性にその傾向が大きいとのこと。
人によっても違うかもしれませんが変に会社でえらくなってしまうと逆にその後の活動に支障が出るようです…
そんな中でも定年後でもイキイキしている人は何が違うのか?
この本から感じたことと言えば社会とのつながりと居場所があるかないかということのように思います。
具体的には教育、趣味、仕事での転身=起業、NPO、教育などどこか社会との接点を持っていれば自分を見失うことは無いでしょうし、その暇もないのでしょう。
若い人に何かを与えるということも1つのポイントで感触としては15%程度の人しか当てはまらないのだとか。
定年後のステージは60-75歳の15年が一区切りで最もそこまでが元気に活動できる時期だといいます。
転身を図るために40代―50代からの助走区間も重要になってくるように思います。本の中にも華麗な転身を遂げた人たちが出てきますが
やはり準備と投資が必要なのだと感じます。この本で書かれているように定年後のことは「逆算的」に考えていく必要があります。
自分にとっては子育てがひと段落ついたころには50代に差し掛かるわけで自分の子供には自分が学んできたものを多少なりとも分けられるとしてもそれ以外どのような貢献が出来るのかということをイメージをきちんと持っておく必要があると感じました。今を全力で生きることは当然ですが自分が与えられるもの、
貢献できるものとそのライフステージでの役割を今一度きちんと考えておきたいと思います。