Takekida's log

千里の道も一歩から

新・生産性立国論

2018-04-21 22:21:08 | Books
デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


「井の中の蛙」とはよく言ったもので組織、そして日本という国も含めてほかの世界を知らないとそれが標準だということになってしまうように思います。この本は日本の政策に関する本ながら外国人の視点で指摘されているという点が新鮮で具体的な提案内容も含めて納得できる内容でした。
まずなぜこの本が生産性というところに注目しているかというと日本が急激な人口減により、経済規模が急激に下がってきてこの後非常に危機的な状況に陥るという予想があるからです。650年前の欧州でのペストの大流行と、その後の人口激減に伴う社会の激変を紹介し、今日本で進行している労働人口の減少はそれに匹敵するとのことで対策としては量から質の変革を図る必要ありとのこと。 さらにはGDPを活用した生産性の比較という展開から日本の生産性が先進国の中でも最低レベルにあることが紹介されます。ここでいう「生産性」とは単なる効率性でも利益の増大でもなく、付加価値の増大か、省力化による同一付加価値の創出と定義。よって設備投資を怠り、従業員給与を減らし、価格を下げながら高品質を謳って商品を売ろうとする行為を無能な経営であると指摘しています。(特に問題視しているのは製造業以外。具体的には1.企業の数を半分に 2.最低賃金を先進国並みに引き上げ 3.女性の活用といった具体的な施策の提言があります。少なくともこれらを人口減で現実を直観するまでに着手出来るかどうか… どうしても社会の変化は緩やかなので痛い目に合わないと中々、自然淘汰はされないようには思いますが少しでも事前に準備できるようにしていきたいものです。
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