「カール」を取り戻せ!・デフレ脱却 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

 

 

 

 

驚きのニュース。

 

明治「カール」、東日本での販売終了へ 
ラインアップも2種に縮小

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ25I0J_V20C17A5000000/

 

驚くとともに、やっぱりな…という思いも濃厚にある。

 

経済を少しばかり勉強し、デフレ不況の様々な事象を観察していると、カールの販売縮小は「デフレ悪化だな…」との思いを強くするのです。

 

企業は多くの商品を作り出しています。

よく売れるもの、そうでもないもの、様々だ。

主力商品に比べて売れないものでも一定の需要があるのだから安々と販売中止することはない。

商品のファンを大切にする企業なら、少ししか売れなくても継続したいと考えるでしょう。

 

しかし

 

国民経済が冷えてしまい、消費が減ってしまうデフレ不況が約20年も続けばそんなこと言ってられなくなります。

 

企業利益を確保するために不採算部門をカットするのはバブル崩壊〜デフレ突入後に散々起こってきたこと。

デフレによって、人も事業も削減されてきたのだ。

 

売れるものを残して売れないものはやめる。

この状況が続くと、万人受けする無難なものが残って、個性的な商品は作りにくくなる。

 

豊かで多様な個性が失われていきます。

 

だから、デフレ脱却を!

アニメが「日本の代表的コンテンツ」などともてはやされるようになったのはいつのことだろう。

デフレ不況と重なるのではないだろうか。

 

先達や後輩の努力は十分認識した上で書きますが

アニメ業界にいると不思議に思います。

どうして「クール・ジャパン」なんてもてはやされるんだろうか、と。

 

思うに、約20年のデフレ不況で日本の主力産業が斜陽化し、多様性が失われていく中で、根強い一定のファン層を持つアニメが相対的に浮上した、ということではないのか。

 

お菓子で言えば、全体の消費が減る中で、食べる人の多いポテトチップ類が浮上し、お菓子業界がポテチに集中した、ということではないのか。

 

カールの販売縮小は、そうしたデフレ不況現象のひとつだろう。

 

 

ボクは子供の頃からカールを時々食べていた。

特にチーズ味が好きでした。

 

毎日食べたいわけではないが、大人になっても年に一二度は狂ったように食べてしまう一種の精神安定剤のような存在。

食による安全保障だ。

 

安全保障には多様性が必要です。

多様な状態とは必須なものだけでなく、ムダに見えるものも含め持つ余裕のある状態だ。

デフレ不況は、余裕=ムダを切り捨てさせる。

採算を考えなければならない民間企業ほど、デフレの影響を受けやすい。

 

安全保障に関わる公的部門の民営化がいかに危険なことか、わかるでしょう。

 

財政拡大でデフレ脱却を!

安倍政権になって5年目。

一度だけの財政拡大の後、緊縮財政に戻ってしまった。

グローバル化も容赦なく進めている。

経済政策路線は小泉政権や民主党政権時と変わらないか、さらにヒドイのだ。

 

金融政策中心のデフレ対策は限界が来た。

物価上昇率2%は達成できず、実質消費は1年半減り続けている。

雇用の改善は良いことですが、金融政策の成果ではなく、人口の多い高年齢層の引退に代わる若年層の数が少ない(生産年齢人口比率の変化)ことによる。

 

デフレ脱却には、安倍政権発足当初に掲げた、金融と財政のパッケージ戦略を振り返り、財政拡大を長期的に継続するほかはない。

 

 

デフレ不況がなぜ長期化したのか?

疑問を持つ心、好奇心が必要です。

 

政府の負債は、国民の資産だ。

政府が負債を削れば、国民の負債が増える。

「国の借金で財政破綻する〜〜」というデマによってデフレは長期化した。

 

デフレを悪化させる経済学の誤りを正せない政治の責任。

経済にまつわるデマに疑問を持たなかった国民の責任。

 

グローバル化が進んでいない日本。

自国通貨を持つ日本。

対外純資産を世界一持つ日本。

まだまだ経済成長の可能性はある。まだ間にあいます。

 

苦しい時に借金をできるのは政府だけだ。

財政拡大で国民への投資拡大を!

 

「カール」を取り戻せ!

 

デフレ脱却をして、豊かで多様な個性を取り戻しましょう。

 

 

 


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