『ご飯を食べるために口を開けること』と『口の形をマネするために口を開けること』との違いについてです。
脳を損傷して筋肉をコントロールする能力に障害が出たとき、
わたしはその障害が
『生まれもって備わっている筋肉の使い方』に障害が出ているのか、
それとも
『生まれたあとから色々な経験を積んでできるようになる筋肉の使い方』に障害が出ているのかに注目します。
『生まれもって備わっている筋肉の使い方』については、例えば赤ちゃんがお母さんのお腹から出るときに最初にすることです。
以前の記事『言葉を取り戻す第一歩③』でもお伝えしましたが、赤ちゃんはお母さんのお腹から出てきたとき、まず最初に口を開け声をあげて泣き肺呼吸が始まります。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいたときは、胎盤を介してお母さんの血液に含まれる酸素や栄養を得ていました。だから赤ちゃんは胎児のときは自ら呼吸をしたり食事をしなくても生きることができます。
でもお母さんのお腹から出てたら、自分の力で酸素を補い、栄養を吸収しなければなりません。
『呼吸をするために必要な筋肉の使い方』や『栄養をとるために必要な筋肉の使い方』は、
生まれたあとから練習を積んでできるようになるのではなく、『生まれた瞬間から備わっていなければ生死に関わる』ことです。
だから『ご飯を食べるために口を開ける』ときの筋肉の使い方は生まれた瞬間から備わっている能力だと思います。
でも、
『口の形をマネするために口を開けたい』と思うとき、ただ筋肉を動かせる能力があればいいというものではないのです。
脳は口の形をマネするために様々なデータを参考にしながら処理していきます。
どんなデータを脳は参考しているのかというと、
一つめはお手本となる口の形の映像を分析するための視覚的な情報(データ)や、
二つめはお手本にしている口から出てきた声を分析するための聴覚的な情報(データ)です。
そして脳は上記の視覚的な情報と聴覚的な情報から、
どんなふうに筋肉を動かせばお手本に近い口の形になるのかを『過去の記憶(データ)』と照らし合せながらシミレーションしていきます。
ここでいう『過去の記憶』とは
『自分自身がこれまでどんなふうに筋肉を使ったのか』に関する記憶です。
『口の形をマネして開ける』には脳のシミレーション能力が必要であり、
シミレーションの精度は生まれたあとから経験して得られたデータ(記憶)の量に左右されます。
筋肉を使った経験が豊富であればあるほど『自分が思い描いた通りに筋肉を動かせる』確率が上がります。つまり、口の形をマネして自分のイメージ通りの……、お手本に近い音声を発音することができます。
でも、筋肉を使った経験が浅ければ、データ不足で『自分が思い描いた通りに筋肉を動かせる』確率は下がります。
脳のシミレーション能力の精度は『過去に経験して得られた記憶の量』と関係していますが、その例として、わたしが大学で中国語の勉強をしてたときのことを書いてみたいと思います。
次回に続きます。
気温は20度前後あったみたいです
去年はコートを着ても寒くてカイロを持ってこなかったことを後悔したのに、今日は本当に暖かくソフトクリームも美味しかったです
o(^▽^)o
明日からは寒くなるらしく、予報では昼間の気温は12度ぐらいとか
明日はコートを着たほうがいいかしら。
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