また現場監督が、、
また痛ましいニュースが。
国立競技場の現場監督が若い命を絶ったとのこと。
あそこは確か大成建設だと思うのですが、ニュース番組でその社長という人物がインタビューに答えていました。大成の社長にしてはそれらしくない恰好だなと思ったら下請けさんの社長とのこと。
ワタクシの時代には考えられないことですが、今や現場監督も派遣なんですよね。
残業200時間で長時間労働を苦にして自殺してしまったとのことです。
残業200時間。
ワタクシも清水建設時代に経験しています。
当時は150時間は普通でしたね。150時間だととりあえず家に帰って風呂入って少しだけ寝て出勤というかんじ。
170時間だと毎日は帰れなくなります。
200時間は泊まり込み状態で、あまりの寝不足と疲労で現場の中で気絶するように寝てしまったりしました。
それでもワタクシは正社員でしたから「いつかは偉くなってやる」みたいな希望がありましたが、派遣さんが同じことやらされたら耐えられない人もいるでしょう。
監督は超早朝(4時半とか)の搬入のゲート開場から始まります。警備員に任せるところも多いでしょうが、何かあった時の責任はすべて監督なのであさイチの現場点検を兼ねて自分でやるんです。
日中は「追いまわし」と言って職人さんに指示をして回ったり、指示通りにいかないことの解決に走り回ります。
5時になり職人が帰るとようやく出来高の確認。指示したことがどこまで進んでいるか、指示通りかを確認して回ります。大規模現場が多かったので一日歩き回りすぎて足の裏側が打撲のように痛みます。安全靴の足の裏は硬いのです。
事務所に戻り、明日以降の職人の手配と工程進捗の確認。図面を見ながら施工計画の立案。
大きな現場だと毎日どこかで足場の架けバラシと生コン打設がありますが、足場図面の作成とクランプ一個に至るまでの数量拾い出しと発注、生コンの数量計算と打設計画、車両や人工手配は監督の仕事です(他社のやり方は知らない)。
竣工間際になればさらに地獄なのですが、もう忙しすぎて現場のこと以外思考停止になります。
「逃げよう」とか「辞めよう」とか考えられないです。考える暇がないのです。心身ともに疲弊しきるとそうなります。もちろん休みなんか無し。
国立競技場の現場では朝令暮改で上からの指示が変更されるのが日常茶飯事と言っていました。
これだけがんばってるのに朝の打合せが数時間のうちに知らないところで変わっていて、その結果職人に怒鳴られまくる。土下座して型枠と鉄筋を壊してもらってやり直ししてもらう。これが繰り返されるとモチベーションダダ落ちします。
ホントにいつになっても改まらない。
というか、大規模工事現場というのは組織系統と業務が複雑で難しすぎて改められないのです。
追い詰められた若者に言いたい。
「人生、選択肢なんていっぱいあるから背負い過ぎずに逃げなさい。」と。
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