CSチャンネルで放送していた、
『スケーター達の記憶・羽生結弦編』。
ジュニアGPFの映像と、シニアデビュー以降のGPSの映像を
中心に構成された番組でした。
一部、動画で目にしたことのある映像もありましたが、しかし
あれだけの選手の軌跡をあのようにぎゅっと凝縮して見せら
れると、圧倒されるというか押し倒されるというか(本当にそん
な感じでした)、こんなに一度に見ていいものかという後ろめた
さのようなものすら感じてしまうのですが、とはいえ一度見始め
ると、本当に目が離せなくなってどうしようもなかったのです。
改めて、急成長した彼の恐ろしさを思い知ったというか。
いえ・・・けれどもこれは、何も羽生選手だけに限った現象では
ないのでしょう。
生来、人間の中に封じ込められている生命力の結晶が、ある時
期になって次第に熱を帯び、溶解し、やがてマグマのように激しく
噴出してくる過程を目の当たりにしている・・・
そんな印象でした。
中でも見ていて特に印象深かったのは、阿部奈々美コーチ振り
付けによる「ロミオ+ジュリエット」。
このプログラム、今見ると、どこか先シーズンのフリー「SEIMEI」
を思わせるような、ふとそんな気がしたのです(あくまでワタシの
主観的な印象です)。
衣装の形状が少し似ているというのもあるかも知れませんが、
それ以外にも、キメのポーズや何気ない一瞬に既視感を覚えて
はっとするという場面が何度もあり、何か過去から感じる未来、
というか、未来からの予言・・・というか、とにかくそんな言葉にな
らない感覚が立ち上ってくるようで、見ていて不思議な気持ちに
なりました。
あの「ロミオ+ジュリエット」を演じたシーズン、
彼が抱えていたであろう様々な葛藤や感情。
「SEIMEI」を演じた先シーズン、
「自分自身という名の壁を乗り越えなければならない」
そんな、必然として出現した宿命のようなもの。
これらはいずれも、彼がスケート競技を続けてゆく中で、おそらく
ある時期から次第に明確になってきたと思われる、自分自身の中の
「見えざる敵」と闘い苦悩し続けてきた軌跡であり、同時にそれは
彼が演じることになったプログラム中の登場人物の姿とも重なって
見えます。
なぜ羽生結弦には、あれほどまでにドラマティックなプログラムが
似合うのか。
彼の中の一体何が、ドラマティックを引き寄せるのか。
心を立たせろ 虹を立たせろ
言葉を立たせろ 音を立たせろ
足りないのではなくて 何かが多いのだ
愛を歌え 願いを歌え
美しいものは 人を黙らせる
(早川義夫『いつか』(1994))
今回、彼の歩んできた軌跡の一部を俯瞰して、
改めて彼のスケートに対する尋常ならざる情熱と、氷に愛された
表現者の、蒼く純粋な魂の咆哮を感じました。
けれどもそれらは、彼がこの先に描く美しい虹の片鱗に過ぎず、
今の時点で目に見えている全ての現象は、彼の明るい未来を
予感させる序章であると、そうワタシは直感したのでした。
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