そう語られていました。

ここのところ、羽生選手はインタビューなどで、「楽しい」

「嬉しい」「幸せ」といった明るく前向きな言葉を頻繁に口

にされていますね。

羽生選手のことだから、おそらく本心から出ている言葉

だとは思いますが、もしも仮に(あくまで「仮に」です）実際

はそう思っていなかったとしても、口に出し続けていると、

回り回って良い影響が得られるのだと思います。

こういうことは、アスリートのトレーニングに限らず、

ごく普通の日常生活において何らかの結果を出したい

場合にも、実践するのが簡単で、尚且つ非常に効果的

な手段であると思われます。

気持ちの上での思い込みや刷り込みが、肉体的にも影響

が及ぶというのは、人間にとってごく自然で合理的な流れ

でしょう。

ですから、メンタルトレーニング経験のない素人でも、徹底

して意識して「よそおう」ことで、確実に変化してくる部分は

あると思います。

そういえば以前、「マイブーム」や「いやげもの」等で有名な

みうらじゅんさんが、ＮＨＫのトーク番組に出演された際、

視聴者からの「何も夢中になることがないのですが、どうした

らいいですか？」という質問に対して、「夢中になっているフリ

をすればいい」と答えられていたのがとても印象的でした。

↓みうらじゅん氏

これは一見、みうら氏らしい洒脱で独特の可笑しみのある答

えだなあという感じなのですが、同時に、非常に奥深く実践的

な思考方法であるとも思いました。

みうら氏は仏像マニアとしてのキャリアが長く、若い頃は

お坊さんになりたいと真剣に考えたこともあるそうなので、

もしかしたら本人が意識されていなくとも、その思考の根底

にはどこかしら、仏教的な哲学思想にも似たものが影響して

いるのかも知れません。

まあ、これはワタシの勝手な憶測にすぎないのですが・・・。

しかしながら、なんでもないちょっとしたことを意識するだけで、

自己の中の世界が大きく変わり、ひいては外の世界をも変化

させる・・・

そういうことは結構あることだなあと思うのです。

ちょっと個人的な趣味でみうら氏のエピソードを出しましたが、
それにしても羽生選手の言葉の中には、彼一流の精密な

思考回路が張りめぐらされているようで、なんとも興味が尽

きませんね。