精神的な病で苦しんでいる人は、不安が頭に浮かんできた時、「どうにかして不安を消してしまおう」とします。
あがり症だと、
「あがらないように、あがらないように」と頭の中で思い続ける。
強迫性障害だと、
強迫観念・強迫行為が激しくなる。
このように、不安が頭に浮かんできた時、すぐに「どうにかして不安を消してしまおう」とするのは、子供の頃の環境が大きく影響している場合が多いようです。
自分のつらいことを言えるような生活環境ではなかった。そのため、つらいことを自分の中で隠す・つらいことを何かでごまかすクセがついてしまったのではないかと思われます。
成長してからもそのクセが残っているために、不安が頭に浮かんできた時に「すぐに消してしまいたい」という思いになってしまいます。
そのことが、精神的な病につながっているのです。
ですから、この“つらいことを隠すクセ”をなおす必要があります。
“不安が頭に浮かんできても、どうにかしようとしない”
不安が頭に浮かんでくると、「自分がとてもつらい状態になってしまうのではないか。すると、そのことを他の人に見られてしまう」そのような思いになるため、不安をすぐに消そうとするのです。
不安を消す必要はありません。そのままでいいんです。そのままにしておけば不安は自然に消えていきます。
自分がとてもつらい状態を他の人に見られることを隠す必要はありません。その「隠さなければいけない」という思いが自分を苦しめているのです。
本当の自分を隠す必要はありません。
“なったまま”でいいのです。