応神天皇の御代に来朝した漢の高祖の裔(えい)と言われる王仁(わに)が「千文字」一巻、「論語」十巻をもたらしことによって蓄積された文化が、一気に花開いた成果として「古事記」の編纂があったであろうことは、容易に推測できる・・・。
これは阿部國治・著、栗山要・編「新釈古事記伝」第三集における栗山氏の言であります。
その新釈古事記伝より・・・。
大国主命(おおくにぬしのみこと)が袋背負いの心(ふくろしよいのこころ)を持ち赤猪抱き(あかいだき)を行い死んでしまいます。
その後赤貝と蛤の神に生き返らせてもらい「麗壮夫」(うるわしきおとこ)に生まれ変わります。
この物語には日本人とって大変重要な教えが含まれています。私などが簡単に表現することは出来る代物ではありませんので興味のある方は是非新釈古事記伝をお読みになって下さい。
その麗しき男こそ、現代でも全く変わりなきいい男像であると私は思います。
そこをあえて自分流のイメージで簡単に言うと・・・。
寡黙に働き、必死に家庭を守る一家の主としての男・・・。
俳優で言えば、やはり高倉健さんの演じる男をイメージしてしまいます。
男の価値はとにかくその親から与えられた肉体を駆使し精一杯真面目に謙虚に働くことだと思います。
稼ぎの多い少ないは時の事情により色々あると思いますが、一生懸命働いた結果の稼ぎが少なくてもそれはそれでいいではありませんか。どんな状況でも感謝の気持ちを忘れず、不運を決して人のせいにしたりせず、死に物狂いで毎日ひたすら額に汗して必死に家族のために働く男こそ麗しき男なのです。
このような男を女性は放っておくわけありません。
これも次世代に相続しなければならない大切な教えだと思います。