Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

楽劇「指輪」四部作の座席

2017-07-24 | 雑感
またまたミュンヘンオペラの券を確保した。今回も苦労した、全てヴァークナー愛好家諸氏の罪である。抽選に落ちたので、またまた早起きをしてネットに入った。今回は春の経験を生かして、無駄な時間を使わないつもりで暗闇の中でPCに向かったが、結局はあまり有効な早起きではなかった。理由ははっきりしている。ミュンヘンの劇場の売券システムのアルゴリズムの問題だ。つまりある数のアクセスが集中すると自動的にウェイティングルームが開かれる。その時に示される整理番号で券を購入する時間帯が決まる筈なのだ。

最初に示されたのが40番台だったか、あまり記憶に無い。なぜならばその番号はどんどんと少なくなって1番になって、強制的に退場させられたからだ。いったい何度1番になって退場を強いられたか?早いうちならばリエントリーしても100番とかが示されるので、その時刻によって大凡のアクセス集中度が推察される。そして、午前10時発売の二十分ほど前に再び叩き出された。リエントリーすると250番位になっていた。今までの経験からして券が買えるのは待ち番号100過ぎ位、午前10時30分までで、200では大抵売り切れている。一体暗いうちから早起きしてなにをしていることか。

そこで、発券カウンターの電話番号や顧客番号などを書き留めて電話の準備しつつ、同時に裏の手を試した。最初にウェイティングルームに入れるようになる前に、上のアルゴリズムの特徴というか条件づけに気が付いたからだ。そして、それを逆手にとっての裏の手である ― 要するにこのシステムは完全自動で作動していることが分かったのだ。リンクを張る時刻は最初にマニュアルで定めて、春の経験からウェイティングルームも同じようにマニュアル時刻で開くのだと思っていた。しかし、これで大凡のアルゴリズムは把握できた。如何に酷い仕打ちを受けるからといってもアルゴリズムの問題なので売券担当に文句を言ってもはじまらない。アルゴリズムを分析するだけだ。10時前には800番ぐらいの番号が振り分けられていたので、世界中からの申し込みがあると思って、四種類の専用電話番号の一つに二三度電話すると完全話し中だった。

裏といっても決してハッカーモドキのことをしたのではないが、売券システムのそれを把握することで、大混雑を掻い潜った ― 大抵どこの劇場も同じようなシステムになっている。そして来年冬のミュンヘンで最後のペトレンコ指揮「指輪」ツィクルスの発券状況を見る。10時3分経過ぐらいだったから、まだまだ余裕があったが、早いもの勝ちなのでマウスの指し指が震える。

最前列も空いていて選択してみるが、皆の希望とぶつかり、いつものように座席お任せにしないと、先にそのクラス自体が売り切れてしまうので、鼓動を高めながら決定する。残り時間は7分である。まるでウルトラマンの世界だ。そこで漸くログインすることになる。カード番号を入れて、あとはその他顧客番号等も問題ない。但し四回券なので氏名と生年月日の入力を求められる。一つ一つの反応時間は、その混雑ぶりを反映して、長く掛かり過ぎひやひやする。無事時間内に購入できた。

調べてみると初めての2.Rangのようで、王のロージュの上っ面ぐらいの高さになる筈だ。四夜の多くても二夜ぐらいしか行けないので、安い楽譜席の何も見えないところでもよいと思っていたが皆同じことを考えるのか真っ先に売り切れていた。舞台が一部見えなくても座れるだけ幸いである ― 同じように四夜とも来ない人も少なくないだろうから、立ち見席からどこかに潜り込んでも良いかと思ったが、価格は50ユーロで同じである。椅子が最初からあるだけ落ち着ける。舞台に近い分、音もそれほど悪くはないだろう。予算は捨て分も含めて上限を130ユーロとしたが、その席も同じその並びの真ん中かサイドかだけの違いだった。先ずは大いに満足だ。

さて、朝早く起きた甲斐があったか?結局10時前になって背水の陣をひいたことで上手く欲しい券を獲得したが、瞬時に柔軟に対応可能だったのは、朝早起きして、途中肉屋に寄って、頭が起きていたからではなかろうか。途中眠かったが、起きて六時間以上経っていたことになる。今回のようなシステムに変更が無ければ、今後とも早起きの必要ないが、もう一つアルゴリズムの裏をかく方法もあることも分かった。電話なども含めて、ありとあらゆる可能性を考えておくしかないということである。キリル・ペトレンコ監督は2021年までオパ―フェストを指揮するということなので、当分券獲得の苦労は続くことになる ― 一部はバーデンバーデンに流れると予想される。



参照:
まずまずの成果だろうか 2017-03-26 | 生活
お得なバーデン・バーデン 2017-03-21 | 生活

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