Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

「彼女のためなら…」

2018-03-20 | 雑感
バイロイト祝祭のネット発注を再び試した。開始時刻を10分ほど逃したので5時間ほど待たされた。忘れていたら警告音が鳴ったので入った。お目当ては「ローエングリン」だったので開始後三時間ほどで売り切れていたのは気がついていた。最初の申し込み同様、希望価格は数十ユーロであった。前回は早めに入れたので150ユーロで躊躇したが、流石に数時間経っていると220ユーロほどが最低価格だった。それでもドミンゴが指揮する「ヴァルキューレ」二度目も三度目も出ていた。そうこうしていると人気の無さげな「オランダ人」の195ユーロが出てきた。多くの人が中で遊んでいるのだろう。だから誰かが手持ちカードを流したところで安いものが出る。一人平均一時間以上は中にいるのではなかろうか。だから数時間も待たされる。システムがあまりよくない。結局は「マイスタージンガー」も「パルシファル」も出なかった。売れるものは二年目以降も決まっているようだ。演奏が良いかどうかよりも「トリスタン」などはあまり人気が無い楽劇なのだろう。そして1クール目の上演は再演でもやはり売れ残らないようだ。冷やかしの威力業務妨害のような人が可成りいるのではないかと思う。結局ダフ屋も人気が無いとなると危険で手を出さないのだろう。

日曜日のペトレンコの話しで面白かったのは、マリス・ペーターセンとの話しだったが、「芸術的だけでなく、医学的にとても厳しくて」の発言であり、色々と想像させてくれた。本人もバッハラー支配人に「ストップを掛けてよ」と断ってから話すぐらいだから、大体想像はついた。それでも心理的にとか健康的にとか言わずに医学的という言葉を使ったので、実際に医療を施す必要が生じたのかなとも思った。「歌手も指揮者も限界まで要求される」と言うことで、リハーサルで可成り厳しい状態になって、勿論こういう場合は歌手がなのだが、勿論女性に暴力を振るわれる可能性も大いにある。

しかし「彼女の言うことはなんでもする」と言うのは、やはりしごき過ぎて彼女が卒倒したということだろう。その後に彼女からもメールなどで熱心に連絡を取って理解し合ったというから、やはり彼女の十八番に手を突っ込んだものだから大変なことになったのだろう。歌手でなくても女流奏者でもこの傾向は変わらないが、特に歌手となると修羅場になりかねないのがこのやくざな世界である。そして彼女はトレーラーで「キリル・ぺトレンコと共演する者はこの世で一番幸せな存在だ」とぶちまける。私も思わず吹いてしまったが、こういう世界である。
SALOME with Marlis Petersen: Preview (Conductor: Kirill Petrenko)


また新聞でも早速取り上げられていたが、マリス・ペーターセンの要求で出したDVDを聞く気もしないのは当然で、「さらにもう少し上手く」と思うのはライヴ録音でなくても、スタディオ録音でもその演奏家心理は変わらない。その一方、「聞いてはいないけど悪くは無いらしい」という言葉で、またその真意が知れた。キリル・ペトレンコが録音に関して必ずしも特殊な指向の音楽家ではなく、寧ろそのライヴを残せるだけの指揮の可能な稀に見る指揮者とする方が正しい。同時にそれ以上にメディア産業の力を借りないでも超一流と認められる唯一無二の現代の音楽家としてもよい。

先週末にブルゴーニュを開けた。アイスクライミングに行った折にフランスで購入したブルゴーニュを全て飲み干した。サントネイである。ボーヌの南側だ西側寄りである。この価格帯では悪くなかった。2015年でも綺麗に酸が効いていて小振りな感じがチャーミングだ。先日のシャロゼーズとは異なり薄いながらも膨らみもあり、充分に石灰のミネラルも感じられた。ぎすぎす感が少ないのである。軽いので食事にも合わせやすい。12ユーロ位だった。



参照:
音楽監督と至福の生物 2018-03-19 | 音
TV灯入れ式を取り止めた訳 2017-01-02 | 暦

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