Ununzの夢見

夢へと向かい、私の夢は私的捕らわれから下降しきれない私の夢。ですが、あれらは想像(創造)を補う地下水脈でもあるのです

夢見【45】苦しい夢(了)

2016-10-06 17:29:32 | 夢見
(824字)
 非常に眠いようなだるいような感じ。視界がぼやけてしまってほとんど利かずに、どこかの商店街の中を歩いている。右斜め上は濃い目の茶色に染まり、反対の左下は白一色に塗りつぶされていた。
 例えるならサンドイッチの具の部分に半透明のゼリーを挟んで、それを目の前にしながら世界を見ている息苦しい気分だ。茶色い方が耳のついた状態、白い方は耳が切り落とされたパンであると想像すると分かりやすい。色のついている部分にも微妙に濃淡があり、薄くなっている視線の中央に近い場所では向こうがある程度透けて見える。そして目に映る空間にはところどころにヒビが入っているようだった。
 本当にいま自分はやばい状態かもしれないと、さすがに焦りが出て背中に嫌な汗を感じる。息をするのも苦しく、そのうち本当に喉が塞がって死ぬのかもしれない。顔を軽く叩いてみたり目を擦ってみても一向に変化せず、全くマシな状態にもならない。

 白い車が左隣を並走している。自分が邪魔になってゆっくりしか走れないのかもと申し訳なく思うが、正面に向かって一歩づつふらつきながら歩くことしか出来ない。何度も車に凭れ掛れるも、そのたびに全身の力を振り絞って直前の体勢に立て直す。正直に言えば、道の脇に倒れこんでそのまま眠ってしまいたかった。例え死を意味していても構わないと。
 いよいよ目に見える風景はさらに狭まり、しかも見えているものは強烈にぼやけてしまっているのだった。これは本当に死ぬなという、強固な事実を目の前にした意外にあっさりした諦めと、歩けるところまで歩いてみようとする最後の意地の間をさまよいつつ、商店街をなんとか抜けると少しだけ視界が広がった。




※夢を振り返って:そういえば、道の右側に倒れこんでしまおうとは一度も考えなかった

目が醒めたのち首筋に少し違和感を覚え、寝違えた時ほどにはっきりしたものではなかったが、あれから十時間近く経ってこれを打っているいまもまだしっくりこない