またまた大分時間が空いてしまいました。その間に各校へは志願者のUKCATとBMATの点数が送られ、面接への招待状が続々と届きつつあります。UKCATとBMATの平均値は、やや下降気味ながら例年並みの範囲に収まり、大きな波乱はなかったようでした。BMATに関しては難化の評価も若干目にしますが、BMATを利用する大学が一般化して受験者数が増大したことにより、平均値が下方に引きずられ気味なのかもしれません。

出願状況ですが、UCASのデータによりますと、今年は北アイルランドを除いて、10/25締め切りの専攻+大学への志願者がかなり増加した様です。特に、留学生で12%の大増加になりました。

医学部に関して言えば、2013-4年の受験年に受験者数が頂点を極めた後、ほぼ線形に減少し続けましたが、やはり昨年で底を打ったようです。そのせいもあってか、昨年度は志願した4校全部から合格をいただいた学生も相当数出た様子が、ネットから伺えました。ピーク時には全勝者は神的な趣がありましたから、受験事情は相当に変化を遂げた様です。というようなトレンドだった訳ですが、今年度は志願者数が一転急上昇しました。出願者区分としては、イングランド生と海外生の増加が顕著です。国内生の割合としてはイングランド生が極端なマジョリティですから、国内生自体の志願者総数も大増加したことになります。

ご存知の通り、今年は医学部の定員が500名分増えました。これまでの定員が6000名強ですから、500名というのは約8%の増加になります。ですから数字上は、増加した志願者数のかなりの部分が吸収できるはずなのですが、その増分はAstonやUCLANなどの新設医学部にも配分されて(Astonは地域枠でのpathwayコースからのみ国内生を募集)、その分だけ既設校の増加分は減ることになります。現時点ではUCLANやAstonの医学部を受ける国内生は一般的ではありませんし、評価も未知ですから、定員に対する志願者数はそれほど多くは無いはず。ですから、もしもそちらにある程度のまとまった増加枠が回れば(両方で3−40名分だと思います)、既存校の競争が下がることにつながるとは思えません。ということで、既設校の受験は、昨年度より狭き門になると想定する方が適切かもしれませんね。

さて、2019年度には、あと1000名分の定員増加が見込まれています。来年こそ本質的競争率が落ちるかもしれません。しかし一度期にそんなにたくさんの増員をして、本当に臨床課程の教育が立ち行くのか、医学部生の話を間近で聞く者としては、懐疑的にならざるを得ません。なんでも出たとこ勝負なのがイギリスですからね。。。