どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

しりっぽおばけ

2017年08月16日 | 絵本(昔話・外国)


   しりっぽおばけ/作:ジョアンナ・ガルドン 絵:ポール・ガルドン 訳:代田 昇/ほるぷ出版/1997年


 むかし、アメリカのかたいなかテネシー州の深ーい大きな森の中に、三匹の犬と一人でくらすじっさま。

 風が強くなって狩りでとれたのは、やせっぽうさぎだけ。

 物足りなくおもっていると、とても奇妙な動物が丸太のすきまから、こっそりしのびこんできた。
 なんともふとくてながくて、そのうえ、おいしそうな ふさふさした おっぽ。
 斧でそいつをねらうと、切りおとしたのは、しっぽ。はらぺこじっさまは尻尾を料理して、ぺろりと食べると、 そのまま、ぐっすりと眠り込んでしまいますが、悪夢はこれからはじまります。
  がりがりっ!
  がりがりっ!
 というおとで目が覚めたじっさま。
 「しりっぽ、しりっぽ! おれの しりっぽ!」

 真夜中がりがりっ!という音と「しりっぽ!しりっぽ! おれのしりっぽ とりかえしにきた!」という奇妙な声。
 三匹の犬が、そいつを門までおいつめ、さらにつかまえようとおいかけます。

 明け方近く、また奇妙な声が。
 「おまえ、わかってるんか! よーくきけ! おれがここのやってきたのは、ほかでもねえ、おれのしりっぽを とりかえすためなんだ!」

 じっさまは犬を呼びますが、一匹もきません。

 そして、目をさましたじっさまのベッドには、だれかが。

 爪と耳が長い何者かがでてくるのですが、結局最後まで正体不明。

 正体不明の動物がじっさまを、やつざきにしてしまうのが不気味です。

 ミステリアスな展開と突き放したようなラストです。


この記事についてブログを書く
« ロンポポ・・中国 | トップ | かみコップでつくろう »
最新の画像もっと見る

絵本(昔話・外国)」カテゴリの最新記事