どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

近所にひっこしてきた子

2018年07月20日 | いろいろ

     ガラガラヘビの味 アメリカ子ども詩集/アーサービナード 木坂涼:編・訳/岩波少年文庫/2010年

 何年たっても話を、よくおぼえられない。覚えたと思っても人前で話すと、どこかとぶなどさんざん。
 短いものだと覚えられそうだが、これもなかなか。そして、短いものだと子どもにどう届けられるか自信がない。

 その点、大人向けでオチがあると短くても楽しめそうなものも。

 アメリカ子ども詩集に、思わずニヤリとするものが。

 (近所にひっこしてきた子)
 近所にひっこしてきた子は
 とってもタフで
 そのパンチ力ったらないんだ。

 からだはでっかいし めげないし
 らんぼうで 筋肉だらけ。
 ぼくは何度も 腕をひねられたし
 髪の毛だって ひっぱられた。

 近所にひっこししてきた あの子は
 ケンカっぱやいし
 ぼくの仲間もみんな
 やっつけられちやったんだ。
 ちょっとおびえちゃうよ
 (だって ぼくの二倍ぐらい あるんだぜ)
 足の指を 思いっきり踏んづけるし
 ボールも 横どりされちゃった。

 あの子は ほんもののワルなんだ。
 ○○○○○○

 どんな子かとおもっていると、最後の一行で、じつによくできていると思わせます。

 (走る人)
 ローラースケートが得意な少年。彼がいつか
 話してくれたーうんと速く滑走すれば
 自分のさびしさも追いつかないーと。

 チャンピオンを目指す理由として、これは
 最高ではないか。
 今宵、わたしはペダルをこいで、
 キング・ウイリアム通りを走る。
 自転車でも同じことができるか、考えている。
 自分のさびしさをおいてけぼりにするなんて、
 これぞ本当の勝利! さびしさのヤツは
 どこかの街角で息切れし、立ちつくすだろう。
 そのころ、こっちはツツジがいっぱいに咲く中を
 軽やかに飛ばす。桃色の花たちは、しぼんでも
 ぽろぽろ落ちても、さししさとは無縁だ。

 寂しさ、悲しみの際、思い出したい詩。

 詩だって語れるのを、教えてもらいました。


この記事についてブログを書く
« うかれぼうず・・グリム | トップ | ライオンとねずみ・・古代エ... »
最新の画像もっと見る

いろいろ」カテゴリの最新記事