久しぶりに仕事が続いておりまして、編物はぼちぼち進めております。
そんな中、初読みの作家さん。
新聞を参考に読んでみました。
図書館には「全集」でしかなくて、この「命売ります」だけ読みました。
映像化されている様子。
それだけに、スリルがあって面白かったです。
ただ、出版当時のままの文章なので、仮名遣いが今とは違い、そこが読みづらかったけれど、慣れれば大丈夫。引き込まれましたね。
お話の内容は、主人公「羽仁男」は生きる事に希望が持てず自殺を試みるが失敗。
その後も生きる意味を見いだせない。
それならと「命、売ります。お好きな目的にお使ひ下さい。」と新聞広告に載せる。
依頼はくるけれど、何故か自分は死ねず、依頼側が次々と死んでしまう。
それは、一人目の依頼主が語る謎の「ACS(アジア・コンフィデンシャル・サーヴィス」と言う密輸と殺人組織。そこと関係があるのか?
ラストまで楽しませてもらいました。
この本は昭和43年に書かれた本。
リアルにその当時の様子が伝わってくる所も面白かったかな。
今、この時代に遡って書く本とはまた違った楽しみ方があるのだなぁって思いました。
現在でも「今の教育はなっとらん」と言う言葉を耳にするし、自分でも「今の若者はね~」なんて口にしちゃう。
この本の中でもそんな会話が飛び交ってます。
そして、政治に対する不満も・・・
半世紀経っている今でも、全く変わっていないのですね。
三島さんに伝えてあげたいなぁ。
「今も若者の悩みは当時と変わっていないです。
若者は・・・と批判されていた若者が、そう口にするおばさんになってます。
変わったのはスピードでしょうかね。
言葉まで短縮されてます。」
ふふ、だって「セーター」が「スウェーター」なんだもの。
こんな言葉の変化も楽しみました。
難しくて読めないかも?って思っていた三島作品。
結構、面白く読めた。(これだけかもしれないけど・・・)
三島作品をちょっと読んでみたくなりました。
マロンは寛ぎ中。
私は仕事を頑張ってきましょ。