銃の発砲事件は日本では珍しい。
しかも凶器は交番の警官を殺害して盗んだものだった…
まるで、どこか他所の国で起きた事件みたい。
だが、日本だから起きた事件だとも言える。
どこの国にでも交番と言うものがあり、おまわりさんが道を教えてくれるなどと思ってはいけない。
そして日本の交番には、誰もが入って行くことができる。
幼い頃、友達と遊んでいて十円玉を一つ拾った。
「十円玉だ。どうする?」
「道に落ちてるものは交番に届けるんだよ。」
「だよね。」
というわけで、私は誰かの大切な10円玉を握りしめ、友達と一緒に駅前の交番まで行った。
すると若いお巡りさんは同僚と相談し、私たちに真面目な顔で5円づつくれた。
今思うと、彼らのポケットマネーだったに違いない。
将来の良き市民はこうして、落ちているものは正直に交番に届けるのだということを学んだ。
あの日突然刃物で襲われた警察官も、こんなお巡りさんだったかもしれない。
拳銃で襲われた小学校の警備員も、 こんな警備員さんだったかもしれない。
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