第114回 森博嗣 『まどろみ消去』
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森博嗣さんの作品はS&Mシリーズはすべてよみましたが、他の作品はちょこちょこしか読んでないです。

『まどろみ消去』はいろんなタイプの短編が収録されていますが、雰囲気や話の構成なんかは全然違うのに、やっぱり森博嗣感がでているので独特の世界観に垂涎です、


理系ミステリーとよくいわれますが、個人的には出てくる用語とか登場人物は完全に理系ですけど、その理系表現を突き詰めて逆に文学的でクセになっています。


なんとなくやさしさも感じてしまう理系文章とファンタスティックなストーリーがやめられない。

作者いろんな側面が楽しめますし、シリーズの登場人物がでてきたりで楽しい短編集でした。

●内容
大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。参加者は、屋上で踊る三十人のインディアンを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口に立てられた見張りは、何も見なかったと証言するが…。(「誰もいなくなった」)ほか美しく洗練され、時に冷徹な11の短編集。