今日はFacebookの投稿会の記事より。


    リハビリテーションとは、生活と人生の復興支援ですね。障害があっても、個人の能力や社会資源を最大限に活用し、当事者の望む人生に近づくことです。理念ですから、理想や念願も含んでいるでしょう。

 

 私もリハビリテーションチームの一員ですので、治療を終えた沢山の患者さんの社会復帰支援に関わってきました。でも思うのです。リハビリテーションの前に、療法士は自分の本来の仕事がちゃんとできているのか?

 

 療法士の専門は治療です。しかし「医学的リハビリテーションは、患者さん納得できる治療(結果)の先にしか成り立たない」ということに、気づいていない療法士がとても多い気がします。

 

 リハビリテーション期に入るうえで重要なのが、患者・家族の障害受容です。障害受容は当事者まかせの心理過程ではありません。こちらが治療専門家として、障害の改善変化から停滞までの道程を、患者さんの心身を通じて直に認識してもらう“共同作業”なのです。

 

 痛み、麻痺、変形、歩行障害。私たち療法士が正確に治療していれば、当事者である患者さんや家族はその変化がすぐに分かります。すると多くの方は機能回復(治癒)が止まった時、あとに残った障害についても正しく認識されます。

 

 そこからが本当のリハビリテーションの始まりです。そうであればこそ、自分にできること、できないことが受容でき、その上で足りないものを補い合える。大切なのはリハビリテーションのスタートラインに立つときの心身の準備状態(自己認識)なのです。

 

 また療法士は下図の赤線①→②のような経過をたどらせなければ、早期の予後予測ができません。これもリハビリテーションをより円滑に始めるための必須能力です(治療的鑑別能力→ http://ptgreen.link/truth/)。

 

 今、割と多くの療法士が「治療だけか、リハビリテーションだけか」に分離してしまっており、私たちの本来の役割が機能していません。

 

 自分の治療テクニックにこだわってリハビリテーションを遅らせるのは論外ですが、治療のできない療法士に真のリハビリテーション支援ができないことも事実です。リハビリテーションの前に、まず治療なのです。

 

 さらに、患者さんの病態によってはリハビリテーション後も定期的な治療が必要なことがあり、また一度はご自分の状態を受容したとしても、長い人生の中で気持ちが沈むことが度々あると思います。

 

 ですから私たち障害の専門家は、本来、その方の生涯を通じて関わる必要があります(かかりつけ療法士)。私も自分の地域で少しずつですが、そのような役割を担えるようになろうと思います。

 

 

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