アカハラと戦う

関西圏の某地帝大博士後期課程在籍中の大学院生がアカデミック・ハラスメントと戦うブログ

初めての方は,まず,ウチの研究室の酷い実態のアウトラインを御覧ください。
コチラから

ハラスメント被害者の危機察知力

 
 
 

これまで紹介してきたような教授の行為が気になり出した頃,並行して,「もしかして,自分はストレス耐性がなさ過ぎるのかもしれない」と,考えるようになった。

 

心理学では,このストレス耐性や回復力のことを「レジリエンス」という。

レジリエンスについて,id:hikarujinzaiさんは,いくつかの芸能人の言葉を引用して,その重要性を指摘している。例えば,有吉さんの言葉は次の通りである。

僕は猿岩石が終わって仕事無くなってから、7、8年ぐらい月収一ケタとか、給料ゼロで生きてきました。 自分でも「良く死ななかったよな」と思います。 だから今になって、給料が減ったとか、ボーナスがなくなったとか、会社潰れたとか、それぐらいで騒ぐんじゃないって思うんですよ。 「そんなもん、もっと前から準備しておけ!」って思うんです。※有吉弘行 地獄から這い上がってきた毒舌王の名言集(NAVERまとめ)から引用

http://hikarujinzai.hatenablog.com/entry/2015/07/09/165917

 

有吉の強さがよくわかる言葉であり,言葉通り様々な困難に臆することなく,生きていけた方がカッコいいように思う。

 

また,最近読んだ,渡辺先生の「鈍感力」という本には,「様々な人間関係の不快さを無視して,明るくおおらかに生きていける者のみが,集団の中で勝ち残っていける」と書かれている。

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鈍感力 (集英社文庫)

鈍感力 (集英社文庫)

 

 

確かに,納得できる部分もある。 いくらかの友人を思い出してみたところ,何かあっても次の日にはケロッとしていたり,適当にスルーして受け流したりできている人は,友だちが多かったり,外交的であったり,何かと社会適合性が高いような印象がある。

 

しかし,一方で主張したいことが2つある。

1つは,鈍感さは,極悪な環境から逃げ遅れる危険をあわせもつのではないかということである。例えば,火災発生時に,嗅覚が敏感なネズミと,鼻が詰まった状態で眠っている人間では,鼻が詰まった状態で眠っている人間の方が,当然焼け死ぬ危険が高いであろう。アカハラでは,もし当該教授が,学位を出す気がさらさらなかったり,労働力としてできるだけ長い年数搾取しようとしている人間であったら,とにかく早く,研究室を移動し,逃げる必要がある。鈍感さゆえに,いつまでも搾取し続けられては,貴重な時間もお金も無駄にすごしてしまうことになる。

もう1つは,鈍感さは,時に自身がハラスメントの加害者になる危険をあわせもつのではないかということである。ハラスメントに敏感であることは,自身が逆の立場になったときのハラスメント行為にも気づきやすいであろう点で,必ずしも悪いことではないはずである。

 

私のおかれている状況では,教授が,我々院生に対して,労働力として搾取できる期間を延ばすために,学位を出さないようにしている可能性が非常に高いと考えられるため,鈍感力などと言っている場合ではないと考えている。

同様に,身の危険を感じるほどの劣悪な環境にいる方は,自分がストレス耐性がなさ過ぎるのではないかなどと心配せずに,すぐに逃げる準備をしてほしいと思う。

 

きちんと逃げる。―災害心理学に学ぶ危機との闘い方

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