戦争が回避できるのなら、〇国の属国になってもいい??? | 加納有輝彦

戦争が回避できるのなら、〇国の属国になってもいい???

 こういう考え方を持った人がいるって事は、理念として理解していた、というか、聞いた事はある。

 しかし、本当にいらした。

 とても気さくな方で、仕事も信頼できる方。

 もう仕事では何回も何回もお世話になっている。

 

 私が政治活動をしていることは知っておられたが、仕事ではそのような話はする暇はない。

 

その方と喫茶店で談笑。

 

「お宅の党は、憲法改正派?」

そこから政治談議となった。

 

その方のお考えは、以下の通りです。

 

とにかく、いかなる理由があるにせよ

「絶対に戦争をやってはいけない」

「戦争は、殺し合い。絶対にやってはいけない。」

 

憲法9条は護らねばならない。

 

 たとえ、自衛のためでも戦争は絶対にいけない。

 悪い国が日本を侵略してきたら、白旗を上げてでも、戦争を回避すべき。

戦争は単なる殺し合い。絶対にやってはいけない。

 

私が中国のチベット、東トルキスタン、モンゴル等の侵攻、侵略、民族浄化の話をしますと、

 

日本が、中国の属国となれば戦争を回避できるのであれば、中国の属国となってもいい。戦争さえ回避できれば、それでよい。奴隷になってもいい。

 

私はさらにお伝えした。

「中国に侵略されたチベットの僧侶の焼身自殺をご存知ですか?自由を奪われる悲惨さを抗議するため、命を捨てているのです。それだけ人間にとって自由、独立は大切なものです。命を捨ててでも、自由の大切さを彼らは訴えています。隷属は人間は耐えられないんです。」

 

「中国は半分は資本主義の国。うまくやっていける。とにかく戦争はいけない。」

 

 なにがどうあれ、戦争は殺し合い。絶対にやってはいけない。

 

 その方の、信念である。不動の確信にみえた。私はもはや言葉を失った。

冗談交じりに、「あなたのようなお考えをお持ちの方が、この世に存在することは理論的には了解していた。しかし、生身の人間にお会いしたのはあなたが初めてです。」お互い笑った。

 

 その方の身の上話を聴く中で、少しばかりヒントを得た。いかにしてその方が、盲目的絶対的憲法9条の信奉者となったのか。

 

 その方は、私より十数歳年長者。

 

 小学校の頃、日露戦争に従軍したおじいちゃんといつもお風呂に入っていたという。おじいちゃんは、こんな事を話したという。

 

 岐阜県人は、慎重なタイプが多かったが、関西の人は、猪突猛進型で、どんどん進軍していく。屍累々となる。彼らの死体を抱いて盾にして進軍したんだ・・・。

 肉弾戦が主流の日露戦役、かなり生々しい話を聞いたという。

 

 また、戦後、満州から引き揚げてきた近所の軍人の話も聞いたという。

世間では、ロシア人が侵攻して、女性をレイプしたというが、実は、我々(日本人も)どさくさに紛れて老若問わずレイプした・・・・云々。日本人もロシア人に負けずひどい事をしてきたんだ・・・。

 

墓場まで封印して逝く人も多いと思うが、本当にそんな事をいったのだろうか。

 

これらの信ぴょう性は分からない。ただ、その方が、身近な方の体験談として聞いたということは事実らしい。

 

 実は、日本の軍人がいかにひどい事をしたが、こうした話はしばしば体験談として一部の近親者、近所の人に語られる場合がある。

 

 こうしたグロテスクな体験談を実際の従軍経験者から聞かされると、「日本が戦った事によってアジアの植民地が解放された、聖戦としての側面もある」というような話は、てんで通用しない。

 

 とにもかくにも戦争は絶対にいけない。日本人も相当悪いことをしてきた。中国に侵略されてもしかたない・・・。

 

いずれにしても、その方にとっては、「憲法9条を護る」は、信念であり信仰でもある。

 

 侵略行為は絶対悪。しかしながら、自衛のための武力行使はあり得るという

私の考えは、その方にとっては、100%否定されるべきものでありました。

 

 そんな方でしたが、以下の点は、共感して下さった。

 

 ご近所さんがいい人ばかりならよろしいが、世間には泥棒もいます。

ご自宅にはカギをかけますでしょう? 今の日本は、カギをかけていない状態、無施錠の状態が、長く続いているんです。

 私は、せめて、せめてカギをかけて戸締りをしましょうと言っているんです。

 

 深刻な見解の相違があったが、終始なごやかに政治談義をしたのでした。

 

 戦後、日本人の心の闇は深い・・・と結びたいのですが、人柄のいいその方の顔を思いうかべるとそんな表現は使えません。

 

 抽象的にはいろいろ理屈をいえますが、個別具体的には、一般化はできないものです。

 

 実際は、「う~ん、う~ん」とひねもす唸っているのでございます。

 

 

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