『小池劇場』が日本を滅ぼす 有本香氏の慧眼 | 加納有輝彦

『小池劇場』が日本を滅ぼす 有本香氏の慧眼

 10月の始め、まだほんのひと月とちょっと前の話、希望の党に希望が存在していた時期だが、昨年12月の大川隆法総裁の「小池百合子都知事に対する懸念」を引用し、私は、『あるいは、政治女性アイコンの最後の「あだ花」(小池百合子氏)の終わりの始まりなのかもしれない。』と書いていた。どうもそんな様相を呈してきた。(プチ自慢かな?)

 

大川総裁の懸念とは以下のようなものだった。昨年12月段階のものです。

以下、大川総裁説法引用 

『(小池都知事の)夏以降の仕事を見まして、小池さんには経営感覚がないんでないかと私には感じられるのが一つですね。実際、豊洲とか映画観に行ったり時々するんですけれど、築地の魚市場が移転できるようにほぼ、完成してきていますし、住宅としてマンションも相当建っています。高速道路もかなりの部分できて、繋ぐばかりとなるとこまで完成してます。
 この現状を見て、ストップをかけてですね、移転に対して否定的なことを言いながら、脚光を浴びるというスタイルのこの、なんといいますか、政権運営というか、マスコミ操縦で人気をとるやり方というのは、非常に危険なやり方だと思っておりますし、小池さんの政治手腕の中に、大きな弱点がある事を感じます。』

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『今後小池新党みたいなものをマスコミが焚きつけて来年の政局を大きく揺さぶるようになる事は、私は望ましい事ではないと思っています。』

 

 年明け後の展開は、まさしく大川総裁が望ましくないとし危惧したものそのものとなった。

 

 小池都知事の資質に疑問を投げかけたのは、大川総裁の他に、大勢存在したとは思いますが、とりわけ有本香氏をあげないわけにはいかない。

 

 「『小池劇場』が日本を滅ぼす」(有本 香著 幻冬舎 )」に、小池都知事の都知事としての仕事のいい加減さ、杜撰さが詳しく語られている。同著はよく売れたようで「小池劇場の真実」と改題して文庫化され発売される。加筆もあるようだ。この本が売れた事は、日本にとって、東京にとって、望ましいことだ。

 

 著者の有本氏も書いておられるが、小池都知事は畢竟、マスコミ、とりわけワイドショー好みの「戦いを仕掛ける」ことに長けている、ただそれだけの人物であるということ。しかも「戦いを仕掛ける」の意味は、「かき回してかき回したあげく元のサヤに収まるだけ」。その間の時間的、経済的ロスは計り知れない。

 

 小池都知事が、共産党の豊洲市場の地下の盛り土がないという、技術的に本来無意味なプロパガンダに飛びつき、かき回しかき回し、ワイドショーに話題を提供する。そしてマスコミが焚きつけ政局をゆさぶる。かくして小池都知事の電波ジャックが成功した。選挙を仕切る「マスコミ省」が、小池百合子氏を公認したのである。

 

 しかし、電波ジャックに成功し過ぎて、時間の経過と共に小池氏の化けの皮が剥がされてしまった。目下、小池都知事の評価は、なした仕事はただ一つ、「都政を遅滞せしめた。オリンピック前の諸準備(環状二号線や築地市場跡地の駐車場整備等)が困難になりつつある。」詳しくは有本香氏の著書「『小池劇場』が日本を滅ぼす」を参照されたい。

 

 いよいよ、小池都知事は、行政の継続性等を一切無視し、行政をゆがめ、一切の都政を遅滞させたその後始末をしなければならなくなった。

 ここにきて、そもそも小池百合子氏は、都政になんか興味がなかった人。

 なぜ、小池氏は都知事になったのだろうか。こんな恐ろしい疑問を投げかける人が少なくない。

 総理大臣へのステップ、過程に過ぎないという見方が大勢と思いますが。

 その質問に、産経の阿比留氏はこう答えたという。

 

 「自分探しじゃないですか」      

 

 とほほ・・・。

 

 豊洲市場の開設は、来年10月。

 その前提条件として、本来は必要のない追加工事を来年の7月までに完了しなければならない。

 その追加工事の入札がほとんど不調。大変な事態となっている。

  その原因は、小池都知事が行った東京都の入札制度の改革だという。

 

1.落札額上限の「予定価格」の公表はすべて事前から事後に改める。

 

2.大規模工事で1社・グループだけの入札になれば中止・やり直しとする。

 

3.一定規模以上の工事で求めてきた共同事業体(JV)をつくる義務は原則撤廃する。

 

 一見、望ましい改革、マスコミ受けする改革ではある。しかし、現実には、これでは入札不調になるだろうといわれていた。

 

 いよいよ、オリンピックまで時間がなくなってきた。

 小池都知事は、自らまいた種を刈り取らなければならない。

 

 どうか任期途中で、都知事職を投げ出してしまわない事を願う。

 

 最後に、有本香氏が強調されておられたが、小池百合子電波ジャック、この間のマスコミ報道は、あまりにひどすぎた。

ネット世論の中では、小池都知事の誤謬を正確に認識していた部分はあったが、テレビの世界はすべてが逆転していた。小池都知事は悪と戦うヒロインであり続けた。

 

 選挙を仕切るマスコミ省の「誤謬」が、ネットを通じて、徐々に徐々に認識されつつあること、ここに「希望」があると思いたい。

 

 

 

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