残暑お見舞い申し上げます。

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夏休みの自由研究で人口問題を取り上げるのはいかがでしょう。



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子ども3人産まなきゃ。
将来子どもを産むなら2人、と思っていたが、本書を読み終えた時に反射的にそう思ってしまった。

"少子化"も"高齢化"も随分昔から取り上げられている問題だ。わたしが中学生の頃、社会の授業で人口ピラミッドの「富士山型」「つりがね型」「つぼ型」を覚えさせられた記憶がある。

テストのため、受験のために昔からなんとなく頭に入っていた「少子高齢化」「出生率の低下」「日本の人口減少」が、近未来の日本にここまで危機的な状況を及ぼすなんて思いもよらなかった。

本書は人口ピラミッドではいまいちピンとこなかった人口減少による諸問題について、具体的にわかりやすく書かれている。


「2020年 女性の2人に1人が50歳以上に」
「2026年 認知症患者が700万人規模に」
「2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる」
「2040年 自治体の半数が消滅の危機に」
「2065年 外国人が無人の国土を占拠する」


目次にはこれらの恐ろしい予言が並ぶ。あくまで予言だが、国立社会保障・人口問題研究所が出した「日本の将来推計人口」ほか数々のデータに基づいた確証ある予言だ。これらの予言を年表にしまとめたものを「第1部 人口減少カレンダー」とし、年表をなぞった上で「第2部 日本を救う10の処方箋」で今取り掛かるべき課題や解決策を提示している。

バブル景気のような好景気を知らず、学生時代はちゃんと就職できるのか不安になり、会社員になったけれどいつまで働けるのか不安になり、結婚・出産もいつするか悩み…目の前の諸問題に追われ、老後なんてまったく見えない27歳のわたしの不安を煽るような予言ばかりで読みながらため息が出た。そして今から・これから何ができるのかを問いかけられているように感じた。

本書は全世代の日本人にこの問題を呼びかけ、問いかけ、警鐘を鳴らしている。

10代、20代の学生世代は当事者意識をより強く持つ世代であり、40代、50代のベテラン世代はこれからの日本の課題に対して一番責任のある世代であり、60代以上の高齢世代は「逃げ切り」ではなくこれからの日本のために自らの老後のエネルギーを少しでも若者に循環させるべき世代なのだ。

どの世代が読んでもそれぞれの課題が見えてくる画期的な一冊だ。

今より豊かな暮らしをしたいと思うからこそ、これからの日本がどうなっていくのかをきちんと知ることができて良かった。
将来設計の参考になった。




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夏バテにお気をつけください。
それではまた更新します。