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ポピュリズムとデモクラシー(民主制)
本日は2本立てて、午後7時には別の記事を配信しますよっと。
ポピュリズムとは日本語では「大衆迎合主義」と訳されますが、民主主義(デモクラシー、民主制、以下民主制と表記)において大衆迎合とはある意味で「当たり前のこと」であり、決してポピュリズムそれ自体に悪が潜んでいるというわけではありません。
例えば地方議員が地元への利益誘導を約束して当選したり、もしくは国民の生活が苦しい時にそれを助ける公約をすること、これも立派な大衆迎合でしょうし、こうでないと困るわけです。
むしろポピュリズムの否定というのは民主制の否定という側面もありまして、ここらへんがなかなか難しいところであります。
政治体制というのは古典的な解釈で言いますと、専制、貴族制、民主制の3つだそうです。これは専制は一人の君主が支配者、貴族制は血統を持った少数の貴族が支配者、そして民主制は投票によって代議士という「支配者」を選ぶ政体と言えるでしょう。
つまり古典的な解釈からすると、専制であれ貴族制であれ民主制であれ「エリート主義的」なものである、と解釈可能です。
民主制は自分たちの代表たるエリートを議会に送り込む、という意味ではどうしてもポピュリズム(大衆迎合)にならざるをえないのです。
良いポピュリズム、悪いポピュリズム
ポピュリズムそれ自体は、民主制とは切っても切り離せないものであると書きましたが、世界中で現在問題になっているのは「悪いポピュリズム」です。
※以下、これをポピュリズムと表記します。
ワイマール憲法という「当時最も民主的な憲法」を持ったドイツは、インフレーションや戦後の賠償金、高失業率に苦しめられてナチス・ドイツとヒトラーの台頭を許してしまいました。
つまり非常に大衆の状況が苦しい中で台頭するのが「悪いポピュリズムである」と言えそうです。
悪いポピュリズムは最終的には全体主義につながるのですが、これにはいくつかの条件があります。
つまりデマゴーグと大衆扇動的な手法、そして仮想の敵を仕立て上げるという3点です。
そして苦しい状況の中で「茫然自失となっている大衆」ならば、安易にこの手法に乗ってしまうことは正に「歴史が証明している」と言えるでしょう。
その結果がどうなるか?藤井聡教授の著書「凡庸という悪魔」によれば、破滅的な結果をもたらすことは間違いがないそうです。
何故破滅的な結果をもたらすか?
先にも悪いポピュリズムのポイントは「デマゴーグ、大衆扇動、仮想敵への攻撃」と書きました。そして敵への攻撃とは往々にして「何も決められない議会」「良識的なメディア」「学者」「知識人」という「エリート層への攻撃」となるわけです。
・・・・日本のメディアが「決められない政治!」とか一時期批判してましたが、日本のメディアは悪いポピュリズムの典型例ですな。
ここに「人民vsエリート」という反知性主義的な構図が出来上がり、さらにポピュリズムを利用しようとする政治家は全てを敵のせいにしますから、今まで築き上げてきた慣習や知識、常識、文化、伝統といったものまで攻撃対象となってしまうわけです。
例えば橋下徹が大阪市長になった時に何をしたか?
かれは文楽の予算を一方的にカットしましたが、教養がなく良さがわからず、なので「金銭や売上のみにその価値を認める」という価値観でした。
これは手の込んだ料亭の料理と、ハンバーガーを一緒くたに論じる行為で、そこには文化的な価値、伝統的な価値というのを一切見出さない、金銭で判断するという「分かりやすいだけが基準」の敵対攻撃が行われているというわけです。
こうして悪いポピュリズムはあらゆるものを破壊していき、破滅的な結末が待っていないほうがおかしいでしょう。
悪いポピュリズムとは、自己破壊を伴う破滅衝動的な行為の循環なのです。
新自由主義ポピュリズム
しかし悪いポピュリズムへの対抗は非常に難しいのです。何故ならば対抗しようとする知識人、良識あるメディア、議会などは敵として仕立て上げられワイドショーのごとくポピュリストのショーに強制参加させられるからです。
そして実は新自由主義も「悪いポピュリズム」と解釈可能です。何故ならば新自由主義とは「自由競争」という名のもとにあらゆる権益を破壊し、最終的には文化、伝統、慣習、常識を破壊し尽くした後に共同体を破壊するものだからです。
※経済学というデマゴーグ、既得権益という仮想敵、そしてショックドクトリンによる大衆扇動というわけです。
いわば悪いポピュリズムと新自由主義の相性というのは「非常に良い」わけで、1990年代から日本で行われ、また顕著になった2000年代の小泉政権を見れば「失われた20年はあの時に破壊した価値への代償であった」と理解可能です。
※また民主党政権時代の発送電分離なども、東北大震災を利用したショック・ドクトリンと言えるでしょう。そう考えると20年間、日本は一貫して自己破壊を進めてきたと解釈可能です。
また安倍政権になっても農協改革、もしくは移民推進などが「既得権益」「少子高齢化」という分かりやすいアイコンのもとで行われております。
また2015年には大阪で大阪都構想なる「空疎で空っぽな政策」がもてはやされ、橋下徹なる人物が一躍時の人となりました。
そして興味深いことに、破壊が進めば進むほどに悪いポピュリズムは加速度を増していく、という現実です。
日本では1990年位まで、新聞にすらポピュリズムという単語は乗らなかったそうですよ。つまりバブル崩壊とその後の「自信を失った日本人」につけ込んだ、悪質な流れが実は新自由主義とポピュリズムのあわせ技であった、というわけです。
この大変な時代に保守は何をしているのだ!
ポピュリズムと新自由主義が日本で加速度的に広まりを見せる中、いったい日本の保守と言われていた人たちが何をしたのか?
彼らはむしろそれらを援護射撃し、人々の目をそらそうとしてきました。TPPであれば中国包囲網という妄言を吐き、移民推進は無視を決め込み、ひたすら憲法改正という悲願のために加担をしてきたと言って良いでしょう。安倍政権応援団と化してしまった彼らは保守することを捨てたのです。
※もちろん一部に、良質な保守が存在していることは存じてますが。
また左派も絶望的に知性を失っております。SEALsという団体は記憶に新しいでしょうが、彼らが若かったという部分を差し引いても、安保法制などに食いつくのではなく、社会に広まりつつある格差問題、非正規問題などを見つめて運動するべきだったでしょう。
もっとも左派は一様に反安倍政権を掲げてますので、幾分かいわゆる保守と呼ばれる安倍政権擁護の連中よりはマシともいえますが。
※もちろん左派にも良質な知識人が存在していることは存じてます。
日本が破滅的な結末を迎える前に止めねばなりません。右派、左派の争いではなく、これは悪質なポピュリスト政治家とグローバル資本という「上」と我々庶民(下)の上下の戦いなのですから。
(ん?この言動がポピュリスト的だって?そう思われた方は非常に勘が鋭いですが、しょーがないんですよ・・・(笑))
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毎日更新されているんですが、当然ながら私も毎日みています。多分見始めて7~8年くらい?むっちゃ勉強になりますから。
本日の男の料理 鰯のつみれ汁
花粉症の季節がやってまいりました。実は「花粉症に多少でも効果のある食材」というのもあるようでして、今日はその食材の1つ、鰯を使ったレシピをご紹介差し上げます。
食事が大切!花粉症の症状を和らげる管理栄養士のおすすめレシピ
ちなみに私は花粉症ではないので、効くかどうか?はちょっとわかりませんが、栄養士さんがおっしゃっているので多分効果があるのでしょう。
材料
- 鰯
- 玉子
- 生姜
- 鰹出汁
- 日本酒
- 塩
- 薄口醤油
- 白ネギ
調理手順
- 鰯は頭を落とし、内臓を出してきれいに洗い、三枚におろしてフードプロセッサーに入れてミンチにします。(大きいものなら5~6匹くらい?)
- すり鉢に入れて玉子と塩、生姜汁を加えて丁寧にすります。丸めたらつみれのもとが完成。沸騰したお湯に入れて火が通ったら、ザルに上げて粗熱を取ります。
- 鰹節で出汁を取り、塩、日本酒、薄口醤油で味を整えたら、4cmほどにカットした白ネギと鰯のつみれを入れてさっと火を通し出来上がり!
上に白髪ネギ、もしくは三つ葉や大葉、みょうがなどを添えるとなお良しです。