「他に代わる人がいない」という末期的症状 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズムの立場での政経論、時事ニュースなどを解説。
ヤン・ウェンリー命は2ちゃんねるのコテハンです。

反新自由主義・反グローバリズムコミュニティ【ブルーオーシャン】の管理人もやっています。

>>ブログランキングで政治記事チェックor応援クリック  >>本日のP.Sへ

内閣支持率と日本の現状


 

 平松禎史さんのブログは更新されると楽しみに拝見するブログの1つなのですが、今回は内閣支持率について大変面白い分析をのせておられます。

ちなみに、同じく支持すると答えた人の「安倍総理の人格が信頼できる」と「政策に期待がもてる」は減っていますので、「他に代わる人がいない」は入れ替わりに増えているわけです。

言い換えれば、総理の人格や政策を支持理由にできなくなって「他に代わる人がいない」と考えるしかなくなった。そんな人が増えたというわけですね。

実態とは違う「民主党政権より良い」「雇用が改善している」「景気は良くなっている」「外交で頼りになる」という思い込みで、「他に代わる人がいない」と判断しているわけです。

 

 

おそらく、そう思い込まないと自分を保てないんじゃないでしょうか。

人間、あまりにも現実が厳しく、将来に希望が持てなくなると「今は以前より良いはずだ」と思い込もうとし、現状維持を望むようになる。

現実はもっと厳しいという意見は聞きたくなくなる。

 全文はぜひともお読みいただきたいのですけれども、概要だけ申し上げますと「実態的には財政出動をしたら経済が良くなる」のに「緊縮財政の安倍政権を消極的であれ支持し続ける」のは「厳しい現実を受け止められないからではないか?」という事をおっしゃっているのだと思います。全く同感。

 

 昨日の記事(森友文章改ざんと戦後レジームの完成)で「森友問題は戦後レジーム的問題だ、現実を言葉で誤魔化そうとする風潮そのものだ」と書いたのですけれども、平松禎史さんの内閣支持率における「他に代わる人がいない」が急増するのは現実を受け止められないから、という分析が正しいとすると・・・。

 やはり「安倍政権が嘘つきで、現実を誤魔化してくれるから支持している」という人たちが一定の割合で存在する、つまり戦後レジーム(現実を言葉で糊塗し、誤魔化す)そのものな人達によって安倍政権が支えられていた(!!)という解釈すら可能かもしれません。

「他に代わる人がいない」という末期的症状

 少し考えれば理解可能なのですけれども、仮に安倍総理が自民党総裁選で3選したとして、それでも総理としての任期は2021年までであります。あとわずか3年です。

 しかし支持している人によると「他に代わる人がいない」のだそうで、それはつまり日本の政党政治の人材が枯渇していると、安倍政権の支持者の少なくない人が考えているというわけでしょう?

 なんだか”弾圧された”と思い込む宗教の信者と教祖様という構図、というのが私の印象なのですね(笑)実際の彼らの精神状況もそれに近いのかもしれない。

 

 しかし実際問題としてはそんなことはないし、代わりの人なんてのはいくらでも存在はするわけです。我が国は民主制国家でありますからね。一応。政策が良いか悪いかは脇に置きますが・・・。

 財政出動を主張する政治家が非常に少ないのは、大変問題ですが、それは国民が求めないからということでしょう。我が国は未だに緊縮バンザイ特攻が流行しているようですからね。

 

 そしてもう1つ。「他に代わる人がいない」とは英雄待望論的な色彩を帯びているのではないか?という懸念。

 2012年の時点で確かに安倍総理は大変に期待されておりました。「民主党政権という最悪な状況から脱する」「財政出動をする」「瑞穂の国の資本主義という理想を掲げた」。

 しかしこの5年以上、蓋を開けてみれば「財政出動派2013年だけ」「民主党政権より税金を重くして実質賃金を下げ、経済を停滞させた」「瑞穂の国の資本主義どころか、グローバリズムと新自由主義的政策を大いに実行した」という真逆の結果が招来されたわけです。

 

 当初、安倍政権を支持していたブロガーでも政策論に重点を置くブロガーは即座に離反していき、もしくは安倍政権批判にかじを切ったわけですが、そうでないブロガーも存在しました。

 政策が180度変わっているにもかかわらず支持し続ける・・・。これはもう「英雄待望論」をもともと持っていて、それに安倍総理の印象が重なったので「何をしても支持する」という意味のわからない状態だったんじゃないでしょうかね。

 

 安倍総理を支持するブロガーの状態が上述したようなものだったとすると、基本的に彼らは日本をあきらめていると解釈することが可能です。

 日本は民主制国家でありますから(一応)、国民が「どうしたら日本が良くなるのか?」という政策論争をしなければならない。しかし上記安倍総理支持のブロガーにはそもそも政策論争を論じるだけの知性と理解がなく、従って財政出動すら「周りがその時に言っていたから」程度の認識で支持していたに過ぎない可能性が高く、即ちそこそこ高支持率を続けていた安倍政権が政策を180度変えてもそれほど気にせずに支持したというわけかもしれません。

 それは「政策論という面倒くさいことは、すべて他に依存する」、「その上で偉そうにしたいので大勢の方になびく」、「時間が経過して経路依存性と認知不協和によって主張が矛盾し始め、迷走する」という経路をたどったのでしょう。

 これは安倍総理という政局巧者(政治巧者ではない)に英雄の姿を見て、依存していたのではないか?

 一方で彼ら安倍支持者のブロガーは英雄を切望したのであれば、その裏には民主制への諦観が存在していて、更にはその諦観の中には自己の知性のなさも無自覚であれ含まれていた、と考えることが可能です。・・・つまり自己大衆化というわけでしょう。

 

 冒頭の平松禎史さんの記事内容に戻るとまことに正論。最後にこう書かれております。

次の総理は誰が良いのか。

そんな話は拙速に過ぎます。「誰が」より「中身」です。

 

政治家を選ぶのは国民(有権者)なのですから、まず私たちが考え方を見直すことからはじめましょう。

 この時点で「次の総理は誰が良いか?」なんて話しても意味がなく、民主制的には「我々国民がどのような政策を政治家、そして政府に求めるのか?」こそが話し合われなければなりません。

 

↓↓最後にポチッとお忘れなくm(_ _)m

コテヤンの好きなブログ紹介

進撃の庶民:毎日、気鋭の論客が政治、経済、思想に切り込む!コテヤン(月曜担当。気鋭じゃないw)も寄稿メンバーの一人です。影法師氏の進撃の朝刊も情報盛りだくさん!
新聞の社説とかより全然こっちのほうがいいです。いやほんまに!

国家戦略特区blog:超人気ブロガーみぬさ よりかず氏による政治、経済コラムが毎日更新!ブログ名は新自由主義者を釣るためだとか(笑)
コテヤンの尊敬するブロガーの一人&先達です!コテヤンがファンって相当やで?

ずるずると道・郷・話を愛でる:重厚かつ濃密な論考をされるzuruzuru4氏が政治ブログランキングへ参戦!!
更新されたら必ず読みに行くブログの一つであり、氏の知的思考をたどることは大変に面白い!

ナスタチウムのブログ:ナスタチウム氏が海外の報道から、移民、難民、マスメディア、政治などに深く切り込んでいきます
特に移民、難民系の記事は「今そこにある危機!」として、皆様に是非とも見ていただきたいブログです。

うずらのブログ:うずら氏の記事ははっきり言って、そこら辺の社説よりレベル高い!
ストンと腑に落ちる言語能力、目の付け所が魅力的で、基本更新されたらいつも見るブログです!経済系が多いかも~

超個人的美学2~このブログは「超個人的美学と題するブログ」ではありません:ニュートラルに世の中を見る!という意味において大変に素晴らしい!若き論客が考え、思考する。
しかもかなりアカデミックな部分も多く、文章も分かりやすく親しみやすい。若い世代の「期待の論客!」としてコテヤンイチオシ!なのです!

 

 

記事が参考になりましたら、ブログランキングをクリックお願いします