何度も書く、通貨発行権と国債と通貨
もはや国債、通貨発行権、通貨に関してどれほど書いたのかわかりませんけれども、ざっと既略を書きますと、日本政府は通貨発行権を有し、国債(内債)はその国定通貨にて借用するものでありますから、まさしくコールリッジが言うように「右のポケットから左のポケットに移るだけ」なのでありまして、国債発行額の絶対額そのものは一切の問題になりません。
国債発行が「右ポケットから左ポケット」であれば、金融緩和は「左ポケットから右ポケット」という話なのですね。金融緩和ができて国債発行と財政出動ができない理由は「ない」のです。
金融緩和と国債発行の違いはなにか？日銀の当座預金に積み上がるか、民間に仕事を発注して民間にお金が巡るか？の違いでありまして、まさに「使われるか、使われないか」の違いです。
逆説的な表現で言えば、緊縮財政とプライマリーバランスとは「政府はお金を死蔵しろ」という主義主張であって、政府が率先してお金を死蔵して経済が良くなるはずがありません。
西日本豪雨に見た「万が一」
西日本豪雨は「歴史的な大雨」だったそうでありまして、3～4ヶ月分の雨が一気に降ったともされております。まさに歴史的災害というわけでありますけれども、我が国はその「万が一」が割と頻繁に起きる災害大国なのであるという自覚が必要でしょう。
その上で国家の基本的な責務である「国民の生命、財産を守る」ということを踏まえますと、通常は「万が一に十分に備えて金を使って人、モノに投資をして備えておく」ことを必要でしょう。
「コンクリートにも人にも」というわけですね。
しかるに現在の政権の姿勢はいかがか？高プロ制度、移民拡大などで労働者を締め上げて、緊縮財政でコンクリートを減らし、水道事業民営化で国家の責任すら放棄しようとしている。
かつて阪神・淡路大震災や東日本大震災のときに、自社さ政権や民主党政権であったことを見て「ほらみろ！反日政権のときには大きな災害が起こるのだ！」などと嘯いていた人たちがいましたが、はてさて熊本地震や大阪地震、そして西日本豪雨と立て続けに起こった現実で「自民党は反日政権だ！」と言い出さないのは自己矛盾。
もちろん、学問的には「政権が変だから、神様が災害を起こしたのだ」などという非科学的な論拠は認められるはずはないのですが。しかしそう主張していた人たちは、少なくとも「現在の安倍政権がどうなのか？」と省みる必要があるんじゃないか？
万が一に備えることを国防と申しますし、危機管理と申します。現在のところ、明日起きるかもしれない南海トラフ大地震、首都直下型地震に対して、日本が十全に備えられているとは到底思えないわけであります。
本当は明日からでも国家が計画を練り、予算を出し、備えなくてはならないのですが、その声はまったくもって高まっていないのは危機管理、危機意識の欠如と言えましょう。
それはすなわち、国防意識の欠如と言い換えることも可能です。
となれば、安倍政権は「国防意識が欠如した政権である」というのは論をまたない所。なぜこのような国防意識の欠如した政権を、いわゆる右派やら保守やらいわれている人たちが支持をするのか？彼らもまた主張していた国防がたんなるお題目であった、と解釈されて仕方のない話。
国防をまっとうに語れぬ国家が、この激動の時代、そして予測されている大災害に対してしたたかに生き抜いていけるのか？明確に否であるとしか申し上げられません。
自分たちの「命」すら、現在の政治にかかっていることをしっかりと自覚する必要性があるのでしょう。
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