免疫治療 ステロイドパルス IVIg(免疫グロブリン大量静注療法) 血漿交換(PE, DFPP, PA)

【免疫治療】
1. ステロイドパルス療法
mPSL 1000mg/day 3Td
明らかに効果がある場合や重症例には5日間試行することも。

パルスのみ or 後療法
→後療法は基本的にPSL 1mg/kg/dayから開始し最初の1ヶ月は同量継続。
その後約10%/2weekで減量して行く。
10mg/day以下になった時には1mg/2weekずつ減量する。

*離脱症状
PSL減量時に生じる副腎不全などのステロイド離脱症状。
20mg/day以下に減量した際に生じやすいと言われている。

2. ガンマグロブリン大量静脈内投与療法(IVIg)
献血者の血清から抽出されたIgGを投与する。
効果は2週間から3ヶ月程度持続する。
適応疾患は①免疫不全 ②自己免疫疾患 ③重症感染症

作用機序は不明
①オプソニン作用 ②補体活性化 ③中和抗体 など
最近ではFc領域のシアル化が重要?

3. 血漿交換療法
血漿を取り除く治療。
血漿=蛋白(グロブリン、Alb)chol、糖、ビタミン、電解質、BUN/Cre、水

①単純血漿交換(PE)
血漿全て取り除く。FFPorAlb製剤で置換。
1回の治療で全血漿を置換する。
置換液:新鮮凍結血漿(FFP)orアルブミン製剤
*病因物質の除去が目的で凝固因子の補充は不要(自己免疫疾患)
→人血清アルブミン製剤
*凝固因子の補充が必要(肝不全、TTP, HUS)や正常グロブリンが必要(sepsis
FFP

FFP製剤の合併症
①アレルギー
②低カルシウム血症:FFP中のクエン酸ナトリウムによる
→カルチコール投与

②二重膜濾過血漿交換法(DFPP)
コレステロールと蛋白のみ置換。
血漿成分を濾過径の小さい膜でさらに濾過する。
アルブミンや電解質などの低分子物質は体内に戻す。
標的物質の除去性能はPEよりも少し低い。
有用物質(アルブミン)も一部濾過される。
比較的小分子のIgGは一部再静注されてしまうこともある。
置換液はアルブミン
→凝固因子の補充が必要な肝不全やTTP,HUS,sepsisには不向き

③血漿吸着療法(PA)
Plasma Adsorption
病因物質の選択的な除去を行う。
補充液は不要。
→感染やアレルギーのリスクが少ない。
対象疾患:MS, CIDP, GBS, MG
疾患によってカラムが異なる。







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