『3びきの かわいい オオカミ』
ユージーン・トリビザス 文
ヘレン・オクセンバリー 絵
こだまともこ 訳
冨山房
ある三匹の子ブタが、わらやシダ、レンガといった思い思いの家を建てるのだけど、ことごとく意地悪なオオカミに邪魔されてしまって…というのは、日本でも有名なおとぎ話『三匹の子豚』。
今回ご紹介する絵本の主人公は、悪役から汚名返上!?「オオカミ」たちです。
それも、前述した悪役イメージとはうって変わって、おとぼけ顔の、なんとも愛らしい3兄弟。
もうおわかりかと思いますが、この兄弟の敵は「ブタ」です。それも、3兄弟を送り出したお母さんいわく“わるい おおブタ”だそうで、敵ながら登場が楽しくなってきます。
さてこのお話。逆転のストーリーはさることながら、登場する“わるい おおブタ”の所業(もうイタズラレベルではありません)、「なにぃ!?」と声をあげたくなるラストまで、元ネタを知っているからこそ楽しめる、大人にもおすすめしたい絵本です。
余談ながら、作者であるユージーン・トリビザス氏は、作家であり犯罪学者でもあるそう。このプロフィールが、読後にじわじわと効いてきます。(★KS)