ガードマンBOXの黄昏

ガードマンBOXの黄昏

ガードマンの仕事って、たいへんなんだよねぇ・・・
怒鳴られたり、罵倒されたり、空き缶や煙草の吸殻投げ付けられたり、
ホント楽じゃないよ

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昨夜、東京にも雪が降った
この冬初めての雪だ


ガードマンになって、何度目の冬を迎えたんだろう

僕がガードマンになった年に生まれた松ちゃんの子供は、もう小学校の2年生になる
啓介は去年、小さな会社ではあるけれど、課長に昇進した
弟は結婚して、子供が二人もいる
今年は、神奈川の方にマンションを買うそうだ


変ってないのは、僕だけかも知れない
そう、10年以上もの間、何一つ変っていない


「おはようございます」「お疲れ様」「それじゃあ、また明日」

「寒いねぇ」「暑いねぇ」「元気?」「元気ないじゃん」

「ガードマンさんって、結婚してないの?」


人の一生って、何なんだろう?
人生には価値のある人生と、そうでない人生があるって言うけど・・・


僕は、こう思うことにしている
自分の人生が、価値のない人生だと思ったら、

それはたぶん

価値のない人生なんだと・・・


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現場で一番初めに給料が下がるのがガードマンだ。もっと言えば、景気が良くなって給料が上がり始めた時も、ガードマンの給料は一番最後に上がる・・・。


ガードマンの給料は、バブル崩壊後から軒並み下がり続けている。だが、それでも他のアルバイト職種に比べると上位にランキングされている。
なのに金がないとはどういうことなのだろう? 貯金がないだけでなく、借金のある人間もけっこういる。一般的にガードマンをやっていて、裕福な人を私はあまり知らない。中には、稀にしっかりと貯金している人間もない訳ではないのだが・・・。


【case6】三週間の休みを取ってヨーロッパ旅行に出かけたCさん。(飛行機代だけで、ン?十万円かかる?)「けっこう貯金してたんだねぇ?」と私が言うと、「いいえ、全然ないですぅ~」とCさんは答えた。にっこりと微笑んだ彼女の口元からは金歯がキラリッ☆!「・・・・・・・」


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ガードマンの中でアルバイトが占める割合は60%強だ。(準社員、契約社員を含む。1号、2号、3号、4号業務でその割合はマチマチだが、全体では6割と言われている)大手の警備会社を除けば、85%を超えているのが実情だ。


都内某警備会社の意識調査を参考にさせてもらえば、その内訳は、転職・脱サラ組が11.2%、定年退職・リストラ・倒産などによる失業組が18.1%、芝居関係(志望)が4.0%、音楽関係(志望)が5.3%、マンガ・イラスト関係(志望)1.3%、アニメ・声優(志望)0.8%、学生(社会人志望)8.4%となっている。(変わった所では、司法試験を目指しているとか整体師の資格を取るなんていうのもある)
要するに、ガードマンの25%弱は何か他にやりたいことがあって、たまたまガードマンという職業を選んだに過ぎない。


理由は、ガードマンの給料が割といいことと、休みが比較的自由に取れることなどが上げられる。

【case5】毎年7月になると休みを取って、北海道へと旅立つH氏。帰って来るのは9月の半ば過ぎだ。

H氏は、北海道で野宿したり、ライダー仲間と安い宿泊所に泊まったりして、暑い夏をやり過ごす。
涼しくなった頃、またひょっこりと現れて、ガードマンの制服を着る。彼はそんな生活をもう何年も繰り返している。時々彼のような生き方をうらやましく思うのは、私だけだろうか?(でも、やっぱりスナフキンにはなれないなぁ・・・)


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一般人でガードマンを警察官(大体似たようなもの?)と勘違いしている人は少なくない。(道を尋ねる連中がそうだ。大抵は年配の人たち。くどいようだが、ガードマンは常駐者でもない限り本当に道を知らない)これと同様に、ガードマンの中にも勘違いしている人たちがいる。


【case4】ガードマンB氏の場合。現場前の道に駐車しようとする車があった。B氏はおもむろに近付き、「ここ、駐車禁止ですよ。標識が見えないんですか? すぐに車を移動してください!」と言った。


彼の行為は、道義的に見て正しいとしてもガードマンとしては正しくない。ガードマンには、違法駐車の車を取り締まる権限も移動させる権限もない。例え、それが工事に支障を来たすような違法駐車であってもだ。(こういう場合は警察の手を借りるしかない)
だからと言って、B氏の行為を非難する必要はないだろう。何故なら、彼の取った行動は社会正義に裏打ちされた善意の行動だからだ。私はこういうガードマンにエールを送りたい。私の分までガンバッテくれと・・・。


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これは、まったくと言っていいくらい私の個人的見解だが、ガードマンは他の職種よりキレやすい人間が多いようだ。理由は幾つか考えられるが、ストレスが多く溜まる仕事であることとか、短期のアルバイト感覚の人間が多く(正社員は極一部でほとんどが一年ごとの契約社員。会社によっては、正社員原則のところもあるが、そういう会社自体珍しい)いつでも転職が可能なことなどが上げられる。
つまりサラリーマンなら一生、あるいは数年間は我慢しなければいけない上司の横暴とか理不尽な仕打ちなども、ガードマンなら我慢する必要がない。現場は他にもたくさんあるし、いざという時には会社ごと変わればいいわけだ。


転職しても、やはりガードマンをやる人間は多い。現に複数の警備会社を経験している人は、全体の52.5%(「警備業白書」推計)半分以上の人間が警備会社を移籍した経験がある。


【case3】ある現場で、「お前、挨拶ぐらいできないのか? 挨拶なんて小学生でもできるぞ! もう一度小学校へ戻って勉強して来い!」とその現場の所長に対して言ったやつがいる。(私だが・・・基本的に三回挨拶して、返事がなかったらキレることにしている)
この後、「その口の利き方はなんだ!」「挨拶もできない人間には、それなりの口の利き方をする!」と激しい言い合いとなり、一時は大騒動にまで発展したが、結局は互いに非を認め、現場が終る二年半後にはかなりの親密な関係にまでなっていた。これは、非常にうまく事が運んだ例だが、キレると最悪のケースを招くことの方が多いようだ。


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