カスタムメイドスーツ(オーダースーツ)のお店の選び方② | Genuine Savile Row(本物の背広)のブログ

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スーツの解釈は様々です。

このブログではオーダー(カスタムメイド)スーツの話題を中心に私なりの見解を述べていきたいと思っています。

先日の記事はざっくりした内容でしたので、お店の名前を出してより具体的に書いていきます。
 
私が贔屓にしているのは、4つの重要な要素(1.型紙(パターン)、2..縫製と副資材、3.店員さん(フィッター)、4.価格バランス
を高次元で具現化していると思う4つのお店です。
 
 
①Re:muse
六本木と大阪の本町に店舗を持つフィッターが女性のお店です。縫製工場は大阪のファイブワンで、縫製レベルは国内トップクラス。仕様面の選択肢は豊富とは言えませんが、サイジングは感動するくらい緻密です。確固たる信念を持ってスーツ作りをされており、波長が合えばここ以外では仕立てる気がしなくなります。縫製レベルや高度なサイジングを考えるとロロピアーナのSuper130's以上、ドーメルのアマデウスシリーズやスキャバル、アリストンなど高級生地の仕様にも十分に耐えられます。
少々高価でもいいスーツが欲しい、と言われたらまずお勧めするお店です。
 
 
②Gentry
大阪の本町に店舗を持つお店でヴィンテージ生地専門店です。新柄も扱うことが可能ですが、何と言ってもヴィンテージ生地の豊富さがウリです。イージーオーダーから完全手縫いのフルオーダーまで、顧客のニーズに合わせて縫製レベルを変えています。生地の面白さに惹かれた、という顧客が多いようです。
店主はたいへん気さくな方で、私はスーツ以外にもかかわりを持っています。
 
③テーラー&カッター
南青山にお店を構え、デザイナー出身の店主により非常にエレガントなスーツを作ってもらえます。私の好みは、かっちりしたブリティッシュスタイルでありながらデザイン的に尖ったもの、なのですが、ここの型紙(パターン)はその究極の形だと思います。
パターンオーダーとフルオーダーが選べますが、パターンオーダーでも縫製は並のクオリティではありません。スーツの本質に関わる肩回りのデザインやサイジングの自由度はかなり魅力的に感じます。
フィッターである店主の有田さんはとても気さくな方で、ご自身のポリシーをしっかりとお持ちでありながら顧客のニーズにも柔軟であることが会話からうかがい知れます。
価格はデザインや縫製、店主のカウンセリング(?)を考慮すれば適正だと思えます。私見ですがパターンオーダーなら、カノニコのSuper110's、ハリソンズのフロンティア、ドーメルのアマデウス365あたりが良いと考えています。
 
④ユニバーサルランゲージメジャーズ
紳士服大手の青山商事を経営母体に持つことで、大規模な生地仕入れと生産が可能です。中国製ですが縫製レベルは高く、結果としてハイコストパフォーマンスを実現しています。
流行を追ったものからクラシックなものまでパターンをそろえていますが、いずれもデザイン的には秀逸と言えます。
全国チェーン店ですので店員さんはさまざまですが、割とファッションセンスの高い方が多いように思います。唯一のネガは、生地の選択肢が少ないこと、でしょう。物理的には少なくないのですが、2段階ある縫製レベルがある程度生地で決まってしまうので、縫製レベルを固定すると選択肢は約半分になってしまいます。
とは言え、予算は多くないが誰が見てもいいスーツを着ている、と思われたい、という方には真っ先にお勧めしています。
 
カジュアルウエアであれば、この店(ブランド)でしか買わない、ということは稀だと思います。理由はお店(ブランド)によって強みが異なるからでしょう。
 
私は同じ理由でオーダースーツ店を使い分けています。