ずっと思ってきたことですが、
これを機に書こうと思います。
先ず、
私は、ライオン（の雌雄のどちらか）に避妊手術を施して、
雌雄を狭い檻の中に閉じ込めて展示する、
昔ながらの展示方法が好きではありません。
雌雄一対でいれば、絵になるし、
写真を撮るお客さんは、２頭の絡みが撮れて喜ぶでしょう。
また、飼育員さんも、
朝一緒に出して、夕方一緒に入れればいいので楽でしょう。
でも、それは人間のエゴだと思うのです。
いい加減、動物福祉に反する展示は止めて欲しいと思うのです。
東山は、ライオンにそのような手術を施すことなく、
今まで、懸命に、ライオンたちを飼育してきました。
３頭のライオンを３交代で展示するのは、大変だったと思います。
エンリッチメントを掲げる大牟田でも、苦労して、
アサヒとリラを交代で展示しています。
そもそも、ライオンは群れ（プライド）で生活しますが、
雌雄がいつも一緒にいるわけではありません。
母娘・姉妹などの血縁関係がある雌たちが、
群れで、狩りをし、子育てをします。
そして、群れの雌たちに、主として選ばれた雄が
（通常、同腹兄弟や同盟を組んだ２、３頭の雄）
縄張りを見回り、雌たちが捕らえた獲物を食べにきます。
雄たちは、複数のプライドの主である場合もあります。
この辺り（特に、雄が雌に選ばれるための過酷さ）は、
NHKスペシャル 悲しき雄ライオン～王交代劇 ９年の記録～
を是非、見ていただきたいです
雌が発情したとき、雄とペアになり、ハネムーン状態になります。
（今回の東山のサンとルナの同居も、
ルナが発情している時期だったら、すんなり仲良くなったんじゃないでしょうか…）
個人的には、ライオンは、雄同士、雌同士の絆の方が深いように思います。
（サファリなどでは、仲の良い同性同士が一緒の部屋にいるようですね）
さて、
避妊手術を施すのではなく、
旭山のライラとレイラのように、
高齢になった雌雄を、同居させるのはとてもいいと思います。
＊前の記事に書きましたが、
旭山は、アキラの転居が決まりそうになったので、
（万一、繁殖しても部屋があるということで）
同居に踏み切っています。
（ライラとレイラは、同居を再開して、少しずつ距離をつめていったようです。
数週間はかかったのでしょう）
今回の東山のサンとルナの同居について、
私は、ライオン担当の飼育員さんにお話を伺っていません。
だから、なぜ、サンとルナを同居させているのか、理由を知りません。
ただ、園にお聞きし、獣医さんの言葉として
「（繁殖させる予定は）ない」と伺っています。
となると、ライラとレイラのように、繁殖目的ではない同居となりますが…。
あくまで、素人の考えですが、
旭山のレイラの出産歴から見ると、
まだルナには繁殖能力が十分にあると思われます。
＊サンかルナに避妊処置を施した様子はありません。
このまま同居を続ければ、
間もなく、サンとルナは仲良くなるでしょうし、
繁殖するのではないでしょうか。
そして、サンとルナが繁殖に至った場合、
ソラの転出、更に、生まれてくる仔たちの貰い手探しといった問題が発生します。
（ライオンが今、「余っている」ことは、皆さんご周知のことだと思います）
なのに、どうして、東山はサンとルナを同居させるのでしょう？？
私のような素人にはわからない専門的なやり方なのでしょうか。
あるいは、何か他に理由があるのでしょうか。
サンとルナに同居して欲しくないわけではないのです。
ただ、今はまだ繁殖の可能性があるだろうから、
同居させるのは、「時期尚早」なのではないか。
そう、思うのです。
どこの園だって、ライオンたちを同居させてやりたいし、
可愛い赤ちゃんを見たいと思っていると思います。
それができないから、雌雄を別居させ、
寂しくないように、仲間の姿を見せたり、色々工夫して、
飼育しているのだと思います。
安易に避妊手術を施すことなく、
繁殖させることができる時がきたら、繁殖させようと
（動物園の目的の一つは種の保存です）
苦労されているのだと思います。
補足
避妊措置について、「手術」でなく「ホルモン」でコントロールしているのでは？
というご意見がありましたので、少し調べてみました。
ここには、個別的な情報は書きませんが、
（ライオンに関しては）
雄に対して行う場合は精管結紮
雌に対して行う場合はインプラント
というのが、現在の主流のようでした。
＊インプラントは猫用のものを皮下に埋め込むので、
（体重比で考えれば、かなりの数）
事実上、回収は不可能のようです。
願うのは、どうか、今いる動物たちを大切にして欲しい
今いる動物たちのことを考えて、ことを進めて行って欲しい
ただ、それだけです。
僕ねぇ、ず～っと、パパにもママにも会えていないの。
すごく、寂しいの
