《お七夜》
お七夜とは、赤ちゃんの命名式です。
昔ながらのしきたりに従えば、「お七夜」までに赤ちゃんの名前を考え、当日、奉書紙か美濃紙の中央に、毛筆で「命名・一郎」などと名前をしたため、左下に生年月日を書いて、神棚の下や床の間に貼り付けて、親族を招いてお祝いをする日です。
このお七夜の儀式は古く、平安貴族が行っていたことです。
当時は、赤ん坊の生存率が低く、…今のように医学が発達しているわけではありませんから…
赤ちゃんの生まれた日が初夜、三日目を三夜、五日目を五夜、七日目を七夜、九日目を九夜と呼んで、奇数日に出産を祝う「産立の祝い(うぶだちのいわい)」を行っていました。
これが省略されて、お七夜だけが残ったのは、
江戸時代、徳川将軍家が「お七夜」を〝命名の儀〟と決めたからだそうです。
そして、大名からお祝いの品を受け取る日になるなど公式行事化して、やがては一般庶民の間に広がり、今に受け継がれているのです。
。。。名前。。。
それは、今も昔も、子どもを大切に思う親心のあらわれですね。
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前章はこちらから ⇒ (1)
《名前がくれた幸せ》
第一章…(其山怜香) (2)
怜香がこの名刺を手に入れたのは、昨年のクリスマスイブの朝だった。しかも、怜香にとって最悪のクリスマス記念のような朝にだ。
周りは楽しそうな二人連れか、親しい友人同士、或いは賑やかな家族連れの中で、ただ一人きりという、生まれて初めての惨めな疎外感を味わった華やかなホテルのカフェラウンジでだった。
今、思い出すだけでも気分の悪い朝だ。
怜香は眉間にシワをよせた。
だのに、なぜか?その最悪の記念品のような、この名刺を捨てられずにいるのはなぜだろう?
多分、この名刺を落とした彼女の笑顔が、淡いベージュの上品なワンピースの色と柔らかに揺れる素材が相まって、思わず怜香は彼女から目が離せなかった。そして、彼女に向けられた連れの女性の言葉が、怜香の心を波立たせてしまうからだ。
連れの女性は彼女に向けて、本当に嬉しそうに感謝を込めてこう言った。
「リエさん。いえ、リエ先生のお陰です。私、幸せになります、なれます。」と嬉しそうにはっきりと言った。
多分、怜香とそれほど年がかわらない三十代後半のその女性は、彼女と二人で奥の席からゆっくりと歩いてきて、怜香の席を楽しそうに話をしながら横切り、ピンクやブルーの光で彩られた大きな白いクリスマスツリーが見える出口手前のキャッシャーへと向かっていった。
その時、丁度、さっきの嬉しそうな女性の声と言葉が怜香の耳に飛び込んで来たのだ。
―幸せそうな笑顔。―
と思った瞬間、怜香は無性に腹立たしくなった。
だから顔をそむけて横を向いたのだが、その時、ちらりと目の端に何かが舞い落ちるのを見たが、怜香はあえてそれも無視した。
無視したが、暫くするとどうしてか気になりだし足元を見た。
が、・・何もない・・
立ち上がって帰ろうとしたとき、白いテーブルクロスが揺れて、ひらりと風が起こった。まるで、それを待っていたかのように小さな名刺が怜香の足元にやってきたのだ。
怜香はおもむろに膝を折り、優雅な指先でその小さな名刺を拾うと、彼女が通った道を振り返ったが・・。
そこには、髪を一つにまとめた小柄な、まるで子どものように見えるホテルのスタッフが一人、下を向いて一心に何かを数えている姿だけだった。
そしてもうそこにも、その先にも、彼女は、彼女たちの姿はなかった。
だから怜香はその名刺を、まるで自分がもらったように丁寧にバックにしまうと頭を上げ、背筋を伸ばし、まるで女王様が、今ここを通るわよといわんばかりに堂々と歩いた。
不思議なことに、それまで自分たちの話に夢中であった周りの客も、自分の仕事に忠実に動いていたスタッフも、なぜか怜香のその優雅さに一瞬息を飲み、気を取られ見つめていた。
つづく・・・
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。。伊勢志摩サミット、すごい厳戒態勢のようですね、ブログに書かれていた方が立ち止まった途端、急に警察官に注意されて「なに?」と思ったら、暫くすると政府の要人が現れ…、。。
・・一目見て・・
。。やっぱり、醸し出すーラが違ったようですよ。。
…うんうん、そうでしょうね、でないと、海外の要人と対等に渡り歩けないよね☆とその方のブログを読みながら思ったのでした・・
『龍の鱗』 物語のはじまり~第5章まではこちらから ⇒ カクヨム『龍の鱗』
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