《名前がくれた幸せ》 

ストーリーモデルは、《行動姓名学・ナビゲーター (楠木理恵あらため)梶原梨笑子さん

 

…名前の一字目に 『ふ の文字があるあなたへ、

あなたが幸せになる為への「ひと言アドバイス

☆場の空気を読み、どんな相手でも合わせることが出来るあなた、それ自体は素晴らしい才能なのですが。時々、人に合わせすぎて、今感じしている自分の心が見えなくなることがあるので注意が必要。

なので、自分の心が見えなくなったときには、まず「自分の感情に敏感になること」、そして同時に自分の意見をその場でハッキリ言うこと。そうすることで、あなたの「本当にやりたかったこと」が姿を現し、やり遂げようという気持ちが生まれ、あなたの心を強くしてくれるから。☆ 

・・・・by 梶原梨笑子

行動姓名学・ナビゲーター…梶原梨笑子さん(楠木理恵あらため)のブログにリンクします

 

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☆序章~第一章まではこちら ⇒ 《名前がくれた幸せ》

 

第二章…(佐伯怜香)   (67-1

 

 

 

「直美さん、こっちこっち!」

ガラス格子の引き戸を開けてお店に中に入ると、恵子が腰を半分浮かせてにこやかな顔で手招きしていた。

直美はその日、旧姓広瀬恵子、今は結婚して田口恵子なった昔の先輩に店から歩いて少し離れた駅前のそば屋に呼び出されていた。

 

「すみませーん。遅くなりました」

着物姿の直美が、恵子の顔を見てほっとして微笑んでいる。

「いいのよ、こっちが勝手に呼び出したんだから・・。お店?大丈夫だった?」

「ええ、昔の幼馴染みと会うんで、お昼抜けさせて下さいっていったら、あっさりいいよって言ってもらえました」

 

お昼といっても、昼の客はそろそろ終わる午後2時前で、これから二人がお昼を食べるそば屋の客もまばらだった。

 

「相変わらず、口八丁ね。この私が、あなたの幼馴染みとは笑えてくる」

恵子がのけぞりながらおかしそうに言った。

「すみません。そういうほうが出やすいかなぁー・・なんて思えて」と直美が肩をすくめてペロリと可愛らしい舌の先を出して言った。

「まあ、そうね。その方が聞いた相手もすんなり返事か出来るよね。さすが人あしらいの上手い直美さん」

「嫌だ、からかわないでくださいよぉー。もぉー、意地悪なんだから、恵子さんわ」と二人で顔を見合わせてケラケラと笑った。

 

「ところで?どうしたんですか、私に急用なんて?」

「うん、真剣な話なの・・。でも、信じてもらえる人にしか話せない」

「信じてもらえる・・?ですか」と直美はいいながら、自分で自分の人差し指を使って自分の顔を指さした。

 

「そう、信用出来る人、あなた」

恵子の目は真剣だ。

すると、「お待たせしました」の声と共に愛想のいい店員が、恵子が勝手に頼んでいた天ざるを二つ持ってきた。

 

「いやだ、もう頼んでたんですか?」

「そう、連れが入ってくる姿を見たら直ぐに作って下さい。連れは仕事を抜けてここに来ますから、素早くお願いしますってね」

「恵子さん、変わりましたね。それに、なんだかきれいになってるし…」と直美は大きく目を見開いて驚いたように恵子を見た。

その姿を、恵子は面白そうに見ながら、「さぁ、食べましょう」と朗らかに言う。

 

恵子のにこやかな笑顔に、急用と聞いてここに来るまでの間、何かイヤなことだろうかと思っていたが、案外取り越し苦労かもしれないと思いなした直美は、「はい、そうですね。美味しいうちにいただきます!」と笑いながら箸を取り食べ始めた。

 

 

 

つづく・・・

 

 

 

 

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『龍の鱗』