DOI: 10.1021/acs.jmedchem.7b00718 | 創薬メモ

創薬メモ

創薬化学、有機化学、有機合成について書き進めていきます。

Quest for Novel Chemical Entities through Incorporation of Silicon in Drug Scaffolds

J. Med. Chem. Article ASAP

 

 

ケイ素原子のドラッグデザインへの応用。

 

有機元素化学は、反応有機化学、構造有機化学のいずれに対しても、

アクティブな貢献を続ける研究分野である。

元素に固有の電子的性質、その結合論に関する洞察は、

有機化学の本質に対して、いつも多大なインパクトを与えている。

 

最近、有機元素化学の波が、ドラッグデザインにも波及している気がする。

重要なリード化合物の骨格に、ケイ素原子が導入されていたり、

医薬品の最終形に、ホウ素原子が組み込まれていたりする。

 

このような研究例は、タンパク質とリガンドの分子間相互作用の観点だけでなく、

生体内における代謝安定性、ドラッグライクネス、

特許における新規性・進歩性の点でも興味深い。

 

Erlenmeyerの等価性の概念は、

ドラッグデザインにおける基礎中の基礎である。

しかし、その教科書的な知識も、決して硬直的なものではない。

日に日に進化しているわけである。

 

有機元素化学の発展は、ドラッグデザインに対して、

少なくないインパクトを今後も与え続けると思う。

実際に自分の研究で積極的に使うかは別にして、

選択肢としては準備しておくべきである。

 

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