どーも、はるきちです。
福岡の地に、革新的な焼鳥店が生まれたように感じました。
西中洲の『焼鳥 輝久(きく)』。
予約時に、その時々の食材をつかって愉しませてくれる、「輝久コース 6,000円〜」をお願いしておりました。
この円の横についた「〜」というのは、こちらで価格帯を選ぶのではなく、そのときの食材で変動するので、
まあ「時価」みたいなものですかね。
たしか、この日は8,000円くらいの内容だったかと。
他に3,500円のコースもありますが、これは基本的に年中内容が変わらないようです。
コースの最初は、「高坂鶏のコンソメスープ」。
マティーニのように、銀杏を添えて。
サイフォンで作る演出も面白い。
のっけから、「この店はなんかやらかしてくれるぞ」という期待感が一気に高まっていきます。
(ということで、こちらは焼鳥などに「高坂鶏」を使っていますが、なぜそうしたかの大将の考えを聞くだけでも、
かなり面白いですよ)
「高坂鶏の昆布じめ」。
ただ刺身で出すのではなく、昆布じめをして旨味を凝縮。
煎り酒でいただきます。
「フォアグラの茶碗蒸し」。
有明の一番海苔が上にかかっていて、この海苔の香りがふわっと高くてびっくり。
美味しいなあ、これ。
お口なおしもかねて、「鬼おろし」も出されました。
串は、「ねぎま」から。
おー。これは肉の旨味がすごいぞ。
噛みしめるほどに鶏のエキスがじゅわっと。
こちらは朝挽きではなく、「2週間熟成」したものを使用しているのだけど、
この旨味の強さは熟成のなせるワザなのかもしれない。
次は、希少な「おたふく」。
3羽捌いて、串2本分しか取れないとか。メニューにはのらないそうです。
今日は僕らの分だけで、運が良かった。
タレは福岡ではめずらしく、甘みを極力抑えたもの。山椒もかすかに効かせてあります。
「はらみ」。
「ふりそで」。タスマニアマスタードを添えて。
「静岡のアメーラトマト」。
「佐賀のホワイトアスパラにウズラの玉子、上にパルメジャーノチーズ」。カルボナーラのように。
「ささみ」。カシスマスタードを添えて。
お客の飲んでいるワインなどに合わせて、添える調味料も微妙に変えるとのこと。
例えば、ブルゴーニュのワインを飲んでいたら、ブルゴーニュのカシスを使ったもの、みたいに。
お酒は、そのコースの流れにあわせて日本酒やワインなど大将がリコメンドしてくれるので、
それに委ねるのが1番良い気もした。
はい、なんとここで「鮨」がやってきます。
「雲丹、そして下にささみを敷いた一貫」。
いやいや、これ侮れない美味さですよ。
「うちもも」。わさびで。大将が焼鳥界のシャトーブリアンというのもうなずける、味の濃さ。
「鹿児島の鰻」。朝倉のネギと煎り酒、わさびで。
唐津のテングサをつかった、「ところてん」。
「つくね」。自家製ゆず明太エキスに漬けた、未成熟卵を添えて。
「うずらと黒トリュフ」。
そして、こちらがリクエストして、「レバー」を。8割くらいが塩水で、残り2割がごま油。
これは面白いなあ。
まるで「生チョコ」みたいにとってもシルキーな口当たりで、品の良い味になっていますよ。
「鴨」。タレで。
「お吸い物」。茶碗蒸しでつかった一番海苔。
「玉子焼」。
ここは炭火にも非常にこだわっていて、「坪当たり福岡で1番消費量が多い」と大将が自負していた。
焼き台を見ると、隙間なくびっしりと炭が敷かれていて、理由はやはり火力を上げるためだと。
その分、焼くのが難しくなるみたいだが、仕上がりは美味しくなると言っておられました。
大将は普段鮨屋に通って勉強もしているようで、
宮崎の某有名鮨店での修行エピソードなど、食へのこだわりが並々ならぬものに感じました。
店内は雰囲気のある空間でありながら、大将と看板女性スタッフの面白トークが良くて、
漫才を見ているみたいに、最後まで笑って楽しく過ごせました。
ドリンクを入れて、この日は1人12,000円ほど。
(ちなみに僕らは、追加などでかなり食べすぎました)
焼鳥として考えると、やはり高級な部類になりますが、
実際良い意味で「焼鳥」のジャンルにおさまっていない感じもありますし、
個人的には値段分の満足感がありましたね。
おそらく、これからなかなか予約のとれない店になっていくんじゃないかと思いますので、
今のうちにぜひ「輝久」の提唱する新しい焼鳥のかたちを味わってみてほしいですね。
ではでは。
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