「し…、仕方ないでしょ。知らなかったんだもん。」
玲子。
「きゃ~~っはっはっはっ。」
笑いが止まらない智香子。しかも両手を叩いて笑う始末。
「…だって~~。」
いきなり赤くなる玲子。
涙まで浮かべて笑いながら智香子。
「…で…、で…、もしかして、もんちゃんと真奈美ちゃんと沙耶ちゃんみて、子連れの彼女と思い込んで、一気にどうすればいいのか分からなくなった…。」
そこに和人、
「ぷっ、ぷっ、ぷっ。」
夏輝…、
「………。」
「だって…、だって…、だって…。…んもう…、ふたりして…。」
一気にシュンとする玲子。
「…で…???」
一呼吸置いて智香子。
「真奈美ちゃんと沙耶ちゃんに会って、あいさつしたと…。」
「…う…、うん。」
「…で…???真奈美ちゃん…、何か言わなかった…???あんたに…???」
「えっ…???何かって…、何…アン姉ぇ…???」
「ばっかねぇ、あんた。真奈美ちゃん、しっかりと子持ちだよ、ある意味、私より女、先輩だよ、まだ20代前半っつぅたって…。男、知ってんのよ。」
玲子、
「……。」
夏輝も…、
「……。」
ちょっぴり目を潤ませて玲子、
「兄…、夏輝を…よろしく…お願いします…って…。」
「きゃ――――――っはっはっはっ。や~り~~玲子。」
思いっ切り玲子の左肩を叩いて。
「…で…???で…、何て言ったのあんた…。」
目尻から零れそうな涙を指で拭いながら玲子、
「…はい、分かりました。…って…。」
最後は涙ながらに…。
「そっか…。うん。玲子…、良くやった。うん。」
何故か智香子も目を潤ませて。
にこやかに和人、
「もん!!!」
夏輝、
「えっ…???…あっ…。」
智香子、
「もんちゃん。」
そして智香子、
「ほ~れ。」
玲子の身体を押して夏輝に倒す。
その玲子を受け止めて、そして玲子の左肩に自分の左腕を回す夏輝。
「玲子を頼んだぞ、もん。」
和人。
夏輝、目を赤くして、
「は…、はい。」
玲子、頬を伝わる涙を左手で拭って…、
「へへ…。」
そして思いっ切り鼻を啜って智香子。
「はい玲子。ご飯、ご飯、早く食べな。片付かないよ~~。」
「あ~い。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。