「生きて…帰れたか…。俺…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.103.

ドキドキ ルーム内に流れる将史の声。
「ははは…、こういうのも…たま~にはな。マ~坊、早く合流しろ。」

一瞬瞼が熱くなる将史。少し鼻声で、
「はい。ありがとうございます。」

その声に愛美、
「…ん…???マサ…???」

電話の向こうで悟朗、
「明日、待ってる。一旦、夕方、会社に来てくれ。何やら、沢渡さんのサプライズのようだ。場所がまだ伝えられていない。沢渡さん直々に…お楽しみに。と言う事だ。」

将史、
「へぇ~。場所がまだ…か…。」

いきなり瞳美の声が小さく…、
「マ~坊…、待ってるよ。ニッ。」

将史、
「今の…。はは…。」

悟朗、
「あ~、その通りだ。じゃ、とにかく、部屋に帰って、ゆっくりな。」

「はい。ありがとうございます。じゃ。」
電話を切って、愛美を見る。
「会社からだ。」

愛美、
「うん。」



「さ~てと…。ようやくご帰還だ~。」
リビングに立って将史。

「よっ、おっかえり~。」
いきなり将史に抱き付く愛美。

「ほいほい、ただいま~。」

「とにかく窓開けよう。空気、入れ替え、入れ替え。」
「おぅ。」

窓を開けて、いきなり外からの風が部屋の中に入ってくる。

窓際に立って将史、
「生きて…帰れたか…。俺…。」

背中から将史に抱き付く愛美。
「うん。良かった。マサ。」

「おぅ。…愛…。」


「さてと。私…、仕事、戻るわ。ちゃ~んと、部屋まで、送り届けたからね~。」
「はは…、ありがと…。」

ドアに近づき、そして将史に振り返り、
「マサ~。」

「ん~~???」
「大好き。…じゃね。明日…、楽しんできて。」

「おぅ、ありがと。気ぃ付けてな。」
「うん。」



アパートの階段を降りて、そして…、もう一度アパートの方に振り返り愛美、
「マサ…。」
その時、何故かしら目から涙が…。
「でも…、やっぱり…私…。」
また振り返り、足早に…。




「おっ、来た来た、桐生さん。」
遼と智也。

何とも恥ずかしげな顔で将史、右手を上げて、
「よっ。」

「マ~坊!!!」
ちょっぴり目を赤く、瞳美。

「よっ、叶。お待たせ。」

「お帰り、マ~坊。」
こっちも目を赤くしてジュリアン。

既に涙でボロボロの茉祐子、
「退院…グスッ。おめでとう、桐生さん。」

「茉祐ちゃ~ん。はは。」
将史。






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