「…とは…言っても…。やっぱり…。」
麻衣子。
絢、
「あ゛――――――――っ。びゃ―――――――っ。」
麻衣子、
「あいあい、が~んばった、が~んばった。が~んばったね~絢~~。」
BCGである。
真赤な顔をして目を閉じて泣いている絢に愛梨珠、
「さすが絢ちゃんだ。えらい、えらい。うんうん。」
「さすがに、何度やっても、これだけはねぇ。はは、うんうん。絢~~。」
しっかりと抱き締めて麻衣子。
そして数分後、
「じゃ、日立さん。ありがとうございました。先生によろしく。」
受付の日立成美、
「うん。絢ちゃ~ん。元気でね~。」
もう既に笑顔に戻っている絢、自分で左手を振りながら…。
成美、
「凄~い。手ぇ振ってる~。ふふ…ばいば~い。」
自転車に乗って、
「さ~てと~。ば~ばのとこ行くよ~。」
絢、
「ば~ば、ば~ば。マ~マ、マ~マ。ぶ~ぶ。びゃ~~。」
絢を母の順子の元へ送り届けてアティレに戻った麻衣子、
「ただいま~。戻りまし…」
すぐさまレジの捷子、
「おかえり、おかえりマコ。ちょっ…ちょっと…。」
「…ん…???どした~~。」
「ほら…、あれ…。」
お店のテラスの方で、何やら花を見ている女性。
麻衣子、
「ふ~ん…。…だ…れ…???」
その時、その女性の横から出てきた姿。
麻衣子、
「わっ。郷君。……と、言う…事は~~。」
捷子、
「うんうん。か…の…じょ~~。にし。」
麻衣子、
「へぇ~~。なんと、なんと、郷君の~。あははっ。」
そんな麻衣子に気付いた郷、
「あ~~。マコさ~ん。」
すると女性も麻衣子の方に顔を向けて、お辞儀をして、にっこりと。
「こんにちは~。」
傍に歩きながら麻衣子、
「こ~んにちは~。んふ…郷く~ん。」
照れながら郷、
「はい。澄香…菜実さん…って…、言います。い…ち…お…う…。か…の…じょ。」
そして菜実も、
「澄香…菜実…と、申します。初めまして~~。」
麻衣子、
「綺麗な人~。それに可愛い人~。ふふ…、郷君…、よろしく~。…何…チーフや店長には…???郷君。」
郷、
「はい。もうとっくに…。」
「そう~~。ふふ…、ではでは…、ごゆっくり~~。」
そしてガーデンに…。
「チズ~~。ただいま~。なんと、なんと。」
知寿子、
「でっしょう~~。私も初めて見た~ふふ…。」
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